ゆめくいしょうじょ ページ9
sideてつや
【この頃、酷い夢を見るんだ】
炎上したバスに乗っていた俺の姉は死んでしまった
命日が近づくと何度も悪い夢を見る
夢の中で母さんは俺に言うんだ
「お姉ちゃん、死んじゃった」って
でも今日は違ったんだ
『てーっちゃん、なんて顔してるの？』
俺の目の前には、クスクスと笑うねぇちゃんがいた
頭が理解するよりも先に、存在を確かめるように抱きしめた
「ねぇちゃん、Aねぇちゃん！」
涙が止まらない
『やだ、てっちゃんブサイク』
謝っちゃダメって言いながら困ったように笑うねぇちゃんを見て、また涙が流れる
なんでここにいるのかを問おうとするとねぇちゃんは言った
『私ね、てっちゃんの悪い夢食べにきたの
てっちゃんが悪夢を見なくなるまで、一緒にいるのよ』
てっちゃんの考えることはお見通しよ！って指差しながら言うねぇちゃんを見て俺はまた泣いた
そんな俺を見ながらねぇちゃんは俺が小さい頃の話をして笑わせようとしてくれた、正直恥ずかしかった
いつのまにか周りは、ねぇちゃんが死んだ時の場所じゃなくてオレンジ色の花畑になっていた
『ここは夢だから私の思い通りなの』
「これ、キンセンカの花だ」
生前、花言葉が好きだったねぇちゃんの影響で、言いたいことが痛いほど伝わってきた
別れはいつだって突然だ
俺の体が下から徐々に薄くなっていく
鼻の奥がツーンとして目尻に涙が浮かぶ
「Aねぇちゃんが俺の姉でよかったよ」
もぉ、泣かないの〜って優しく抱きしめながらねぇちゃんは俺に話しかける
『てっちゃんが空に来るまで待ってるからね』
『ばいばい、てっちゃん』
ねぇちゃんが何か呟いたのを知らないまま光に包まれていった
『キンセンカの花には、失望って意味もあるんだよ
また、私を一人ぼっちにするんだね』
飛び起きて母親に告げた
「俺、夢でAねぇちゃんに会った！」
青ざめた顔で母は言った
母「あなたは一人っ子だし、Aって死んじゃった元カノじゃない」
頭を殴られたような衝撃が走った
フラッシュバックしてくる赤い光景に吐き気を催す
なんで忘れていた
あいつは、俺から別れを告げたAだった
俺の意識はそこで途絶えた
目を開けると、燃え盛る家の前に笑顔のAがいた
炎に包まれた体で俺を抱きしめた
あぁ、また悪夢が始まる
【俺の罪は、キミを忘れたこと】
____
ゆめくいしょうじょ/米津玄師
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ハレ(プロフ) - ライカさん» ライカさんいつもコメントありがとうございますめちゃめちゃ嬉しいです！！ぜひまたリクエストしてください！！ (2018年2月4日 9時) (
レス) id: bc997d4658 (このIDを非表示/違反報告)
ライカ - 続編も楽しく見てます！久しぶりに吸血鬼設定のお話が見れて嬉しかったです…！これからも楽しみにしてます！良かったらまたリクエストさせてください！ (2018年2月3日 23時) (レス) id: 88e2565bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ハレ(プロフ) - ゆらのさん» ありがとうございます！！少し遅くなってしまうと思うのですが是非書かせていただきます！！これからもよろしくお願いします！ (2018年2月3日 20時) (レス) id: bc997d4658 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらの(プロフ) - いつも見てます！前作で書いていらっしゃった吸血鬼ものがみたいです！出来ればで大丈夫です！これからも楽しみにしてます！ (2018年2月1日 18時) (レス) id: 649eb1ff6b (このIDを非表示/違反報告)
ハレ(プロフ) - 豆腐［ 'ω' ］さん» ありがとうございます！今回は皆様の投票が1番多かった方でお書きしますが、みやかわくんを登場させたお話もつくりたいなぁって思ってるので是非書かせていただきます！！これからもよろしくお願いいたします！ (2018年1月19日 0時) (レス) id: bc997d4658 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハレ | 作成日時：2018年1月8日 1時
