第二百三十五夜 ページ8
恐らく六蔵少年は探偵社を恨んでいるだろう
面と向かって確かめたことはない
だが──
「六蔵少年の父親はもう居ない。それだけが事実だ。誰かが父親の代わりに奴を見守り、時には拳骨を落としてやらねばならん。俺には偶々それが出来る。ならば好都合だ」
「国木田君はロマンチストだねえ」
太宰が溜息にも似た苦笑を漏らした
俺は自分をロマンチストと思った事は無いし、浪漫の何たるかも殆ど理解して居ない
だが俺の知己たる人々は皆、口を揃えて
『お前はロマンチストだ』
と言う
理由は良く判らん
この世は理想通りにならん事ばかりだというのに
考えている内に眼前でタクシーが一台停まり、運転手が手を振った
「いやーお久し振りですね国木田調査員。本日はお日柄も良く絶好の探偵日和でございますね、今日も眼鏡似合ってますね、僕も運転手の仕事を続けてますとね、お客様の眼鏡の善し悪しが判ってくるんでございますよ。気品と言いますか、生れの良さと言いますか。国木田調査員の眼鏡はとても善い眼鏡だ！保証いたしますよ、ええ」
「頼むから少し黙って運転しろ」
第一、何を以て眼鏡の生れの良さを判断するのか
馬鹿馬鹿しい
…少し知りたいが
「運転手さん、私のメガネどうです？」
助手席に座っている白鳥が運転手に真紅の細いフレームをしたメガネを差し出した
かけたところをあまり見ないがいつ使うのだろうか
恐らくバイトの時だろう
「そうですねぇ、うん！素晴らしい気品溢れる眼鏡だ！きっと人間で言うと貴族の出というところなのでしょう！」
「おぉ！中々の階級の眼鏡さんですね！いやぁお世話になります」
白鳥はそう笑ってメガネをかけた
「白鳥〜その眼鏡掛けさせてよ〜」
「うわぁ！触らないで下さい！…異能無効化されちゃうでしょう！」
太宰がそう手を伸ばすと白鳥は思い切り仰け反った
「メガネに何の異能をかけているというんだ」
「内緒です！」
白鳥は俺の問いにそうニコッと笑った
内緒と言われると気になるのだが
まぁいい、気にしないことにしよう
- 金 運: ★☆☆☆☆
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信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» そうですね！(…と言いつつ忘れてた人)←うん！番外編でも書きましょうかね！(織田作さんすいませんという心を込めて)← (2016年10月26日 18時) (
レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 今日は織田作の誕生日ですね！！！ (2016年10月26日 18時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
朱雀 - 信乃☆さん» こちらこそ、リクエストにお答えしていただいてありがとうございました！キュンキュンしました！ (2016年10月23日 11時) (レス) id: 7aee5b4952 (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» 正直に言わせていただくと私も書いている途中で吹き出しました← (2016年10月23日 9時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 国木田さんのビビりヤバいですねww ちょっと画面の前で吹き出しました！ (2016年10月23日 9時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：信乃☆ | 作成日時：2016年10月19日 18時
