第二百五十三夜 ページ34
「何?」
「条件とは、武装探偵社が僕を依頼人として警護し、安全保障する事です。期限は僕が検察取り調べを終え、取引に依る証人保護が成立する迄、七十二時間の間」
「証人保護取引だと?どう云う意味だ」
「時間が……有りません。僕は殺される。彼奴らに殺されるんだ」
「待て。話が見えん。順序立てて教えろ。誰に、何故狙われるんだ!」
「あんな連中と取引するんじゃあなかった……個人が何の後ろ楯も無しに臓器売買ビジネスに手を出したから、奴等の逆鱗に触れたんだ!拙い……拙いんです、調達人とも連絡が付かない。僕は切り捨てられたんだ!何故、絶対に露見しない筈だったのに……奴等がもう、すぐ其処まで」
「成る程──そう云う事だね」
太宰が顎に手をあてて頷いた
白鳥も同様に頷いているが少し驚きの色が見て取れる
「おい太宰、こいつはどう云う意味だ!奴は何を云ってる!」
「そのままだよ。彼は被害者を臓器密売組織に売って居たんだ。けど僅か一月の間に大量の商品が出回ったために、臓器が一時的に値崩れを起こして相場が混乱したのだよ。譬えるなら、大企業が微妙な管理をしてる供給市場に、個人事業者が突然割り込んで市場を引っかき回した訳だね。するとどうなる?」
「大企業が──怒る?」
「表社会なら健全な競争だ。けど界隈の臓器供給を担う親元は裏社会の、血液と暴力を貨幣とする連中だ。自分のシマを荒らされた彼等は怒って──」
「伏せてください!!」
白鳥が太宰の言葉を遮って叫んだその瞬間、車体に衝撃
更に連続で車体が跳ねる
甲高い音が響く
俺達が乗るタクシーの右側が浮く
弾丸が飛来する音と共に、窓硝子が爆ぜ割れた
「銃撃だ!」
俺は叫ぶ
窓硝子の破片が車内に降り注ぎ、金槌で乱打するような衝撃と振動が車体を揺らす
「奴等だ! ひいっ、助け……死にたくないっ!」
「おい、待て!」
運転手が車のドアを開け、襲撃とは逆方向に遁走した
「国木田君、運転手を逃がしても死なせても、事件の真相は藪の中だよ!敵より先に捕まえないと」
車内に伏せた太宰が叫んだ
云われるまでも無く判っているが、状況が困難過ぎる
「私が運転手を追うから、国木田君は連中を引き付けておいて!」
「待て、単独行動は危険だ!太宰!」
制止も聞かず、太宰が駆け去って行った
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信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» そうですね!(…と言いつつ忘れてた人)←うん!番外編でも書きましょうかね!(織田作さんすいませんという心を込めて)← (2016年10月26日 18時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 今日は織田作の誕生日ですね!!! (2016年10月26日 18時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
朱雀 - 信乃☆さん» こちらこそ、リクエストにお答えしていただいてありがとうございました!キュンキュンしました! (2016年10月23日 11時) (レス) id: 7aee5b4952 (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» 正直に言わせていただくと私も書いている途中で吹き出しました← (2016年10月23日 9時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 国木田さんのビビりヤバいですねww ちょっと画面の前で吹き出しました! (2016年10月23日 9時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月19日 18時