第二百三十一夜 ページ4
幾つもの遠隔錠前が施された重い樺製の戸を潜り、室内に入る
室は二十畳に少し足りぬ程度
壁に床に電子機材が積み上げられ、光電素子の明滅が薄暗い室内を照らして居た
部屋の奥中央には電算筐体の群が立ち並び、野良犬の唸りの如き冷却扇の音を響かせて居た
机上に四枚ある液晶板に、それぞれ別個の画面が青白く光る
「イヨオ眼鏡。今日も手帳の言成かい？」
「偉そうな口を利くなよ情報屋。社にある証拠品を然るべき筋に回せば、お前は十年獄舎暮らしだ。そうなればお前の亡き御父上が泣くぞ」
「父上の話は出すんじゃねエよ」
机に両脚を載せてふんぞり返る情報屋は、十四歳の少年だった
確か白鳥が16歳だから2歳下ということだ
散切り頭に大きい眼
夏でも冬でも、一張羅の白い編上衣を着ている
躰は小さいが、眼光は爆ぜた硝子のように鋭い
「それより遅刻だぜ？珍しいじゃんか。何、コレと逢引？」
少年が小指を立ててにやける
「断じて違う。逢引とは結婚を決めた女性とするものだ。そして結婚予定は六年後と、手帳の『将来設計』の頁に書いて在る」
手帳を繰りながら、俺は答えた
「何だ。眼鏡、結婚決めてる女が居んの？」
「それが出来るのは四年後の予定だ」
「あ、そう……」
俺が手帳を繰りながら真面目に答えると、少年は目を丸くして顎を落とした
「理想と計画に生きる、それが大人だ。見習え少年」
「うん……国木田君のキャラは大体判ったけど、今のはちょっとアレだよね……」
「そうですね。国木田さんを見習うのはやめておいた方が良いですよ」
背後から木戸を潜って太宰と白鳥が現れた
「あれ、新顔。誰？」
「やあ。名乗っても勿論良いのだけれど、次に国木田君が言う台詞があるから無理」
「少年、人に名を尋ねる前には自ら名乗るべきだ。あと太宰、許可なく俺の言動を先読みするな」
「眼鏡はつくづく『べき』って言葉が好きだな…まアいいや。己等は田口蔵。十四歳。職業は電網潜士」
少年はそう自己紹介をした
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» そうですね！(…と言いつつ忘れてた人)←うん！番外編でも書きましょうかね！(織田作さんすいませんという心を込めて)← (2016年10月26日 18時) (
レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 今日は織田作の誕生日ですね！！！ (2016年10月26日 18時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
朱雀 - 信乃☆さん» こちらこそ、リクエストにお答えしていただいてありがとうございました！キュンキュンしました！ (2016年10月23日 11時) (レス) id: 7aee5b4952 (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» 正直に言わせていただくと私も書いている途中で吹き出しました← (2016年10月23日 9時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 国木田さんのビビりヤバいですねww ちょっと画面の前で吹き出しました！ (2016年10月23日 9時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：信乃☆ | 作成日時：2016年10月19日 18時
