第二百四十九夜 ページ30
「薄倖の美女だねえ」
医務室より戻り、調査に向かうべく社にて準備を整えている時、太宰がにやけながら云った
「お前はああいう女性が好みか」
「私は女性は皆好きだよ。凡百女性は生命の母にして神秘の源だからね。でも佐々城さんは、頼んだら一緒に心中してくれそうで良いなあ」
「お前は蝉とでも結婚していろ」
男女の交際は清く靭く在るべきだ
お互いに補完しあい高めあう理想の配偶者とのみ交際し、一生添い遂げる
それが俺の『理想』だ
実際に手帳にそう書いてある
「国木田君こそどうなの。佐々城さんどう思う?」
「事件の被害者にして証人。それだけだ」
「全く想像出来ないから訊くんだけど……国木田君の理想の女性って、どんな人?」
「読むか」
女性には見せるなと言われたが男ならば良いだろう
俺は自らの手帳の頁、『配偶者』の項を開いて見せる
「長っ!これ全部!?」
太宰が手帳の頁を読み進めるにつれ、表情が凍り付いてゆく
再びそれを見た白鳥が頭を抱える
「……うわっ。いやいやいや、それは流石に……うわ、ええっ」
太宰もそう呻く
「何だ白鳥といいお前といいその反応は。変か?」
「いや、良いと思うよ。男性なら誰しもが共感出来る理想だよね……それぞれの項目は」
「そうだろう。女性に理想を求めて何が悪い」
「その通り全くその通りだよ国木田君。でも一つ云えるのは、その頁絶対女性に見せない方が良いよ。引くから。私でも今『こんな奴いねぇよ!』って叫ぶの我慢してるもの」
それ白鳥に何度も言われたぞ
でもまぁ…そんなものか
「さあ、判ったから仕事に行くぞ。誘拐犯の手掛かりを追う。太宰、何か気付いた事はないか」
「ひとつ在るよ」
「何だ」
「女性の理想を追うなら、まずその地味眼鏡を何とかしないと」
太宰が素早く俺の眼鏡を奪い、自分の眉間に掛ける
似合わん
「その話題はもういい!返せ!」
眼鏡など、業務に差し支えなければ十分だ
眼鏡の品質で評価が変わるならば誰も苦労はしない
「…………眼鏡?」
眼鏡、被害者、顔、監視装置、全員が、宿泊亭の──
「如何したの、国木田君」
自らの足で宿泊施設から消えた失踪者、全員が一人で横浜に宿泊、施設出入口の監視映像
「行くぞ太宰」
太宰から眼鏡を奪い返し、自分に掛ける
「犯人が判った」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» そうですね!(…と言いつつ忘れてた人)←うん!番外編でも書きましょうかね!(織田作さんすいませんという心を込めて)← (2016年10月26日 18時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 今日は織田作の誕生日ですね!!! (2016年10月26日 18時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
朱雀 - 信乃☆さん» こちらこそ、リクエストにお答えしていただいてありがとうございました!キュンキュンしました! (2016年10月23日 11時) (レス) id: 7aee5b4952 (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» 正直に言わせていただくと私も書いている途中で吹き出しました← (2016年10月23日 9時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 国木田さんのビビりヤバいですねww ちょっと画面の前で吹き出しました! (2016年10月23日 9時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月19日 18時