第二百三十夜 ページ3
実に回り諄い持って回った文面だが、要するに『近所の建物から怪しい声や音がするので調べて呉れ』という事らしい
この文面が届いた直ぐ後書留で依頼料が探偵社に届いた
中を検めると、予定経費を差し引いても相場依頼料の倍ほどが入っていた
となれば、断る理由など無い
通常通り調査はする
だが──懸念がひとつ
依頼人の名が無い
依頼人が誰なのか、何処に住み連絡は如何なる方法で行うのか
これではそれが全く判然としない
或いは意図的に隠したのかも知れないが、これでは調査結果報告も出来ん
そこで俺達は、連れ立って先に『依頼人捜し』に向かう羽目に陥った
「ひょっとして、依頼人も怨める悪霊だったりして。それで騙された私たち探偵を、幽霊屋敷で待ち構えてパックリひと吞みに──」
「愚か者め。幽霊が電子書面を出すなどと云う怪談が世にあるものか」
尤も、幽霊が相手だったとしても俺は怖くないがな
「知ってますか?今の時代メリーさんも電子書面で自分の場所を告げるそうですよ。『件名:私メリー 本文 私メリー。今あなたの家の前にいるの』…って!」
余計なことを余計に感情を込めた声で言うな白鳥
今少しゾクっとしたのは風が少し寒かったからだ
決して幽霊など信じん
無駄話をし乍ら俺達が向かったのは、港の倉庫街だ
((まさか任務でよく来るここに探偵社の任務で来るとはね…))
白鳥が何故か肩を竦めたが、時間が迫っている
早く行かなければ
赤茶けた煉瓦造の倉庫の群が月光を撥ね返して闇夜に茫と浮かんで居る
俺達はその一つ、余所よりも一回り小さく古い倉庫に足を踏み入れた
天井が高く、壁の漆喰は潮風に侵され剥がれている
保管されている機械部品の鉄と機械油の臭い、そして古い埃と時間の臭いを嗅ぎながら、事務室の呼鈴を押す
鉄を叩くような摺動の音が響き、電子錠が解除された
「入ンな」
果たして、室内より甲高い答えの声があった
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
谷崎潤一郎の髪留め
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
110人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» そうですね!(…と言いつつ忘れてた人)←うん!番外編でも書きましょうかね!(織田作さんすいませんという心を込めて)← (2016年10月26日 18時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 今日は織田作の誕生日ですね!!! (2016年10月26日 18時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
朱雀 - 信乃☆さん» こちらこそ、リクエストにお答えしていただいてありがとうございました!キュンキュンしました! (2016年10月23日 11時) (レス) id: 7aee5b4952 (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» 正直に言わせていただくと私も書いている途中で吹き出しました← (2016年10月23日 9時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 国木田さんのビビりヤバいですねww ちょっと画面の前で吹き出しました! (2016年10月23日 9時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月19日 18時