第二百三十九夜 ページ17
「ぎゃああああああああぁぁぁぁ!」
「うーはははははははははー!私は風!!」
「待っ、太宰、お前止めっ、頼、ぬわあああおぉっ!」
「太宰さんの運転久しぶりですね!今回は崖に落ちないでくださいよ?」
待て、前回は崖に落ちたのか
「うぎぃあああ───!!」
「オロロロロロロロロ」
「あ、太宰さんそこの曲がり角右折です」
「さあ、無事着いたよ!」
「お前にはっ……二度と、運転させん……!」
ドアを開き太宰は颯爽と、俺は転がり落ちるようにタクシーから降車した
運転手に至っては助手席で伸びている
一晩目覚めることは無かろう
「何、酔ったの?だらしないねえ。白鳥を見なよ。遊覧船から降りてきた観光客のように楽しげな顔で普通に歩いてるじゃないか」
太宰の発言に軽い殺意を覚える
遊覧船は遊覧船でも大嵐の中で木の葉のように吹き飛ばされた遊覧船だ
そしてまずこれを車酔いとは呼ばん
足腰が震えて立てん
平衡感覚が無い
生誕直後の草食動物の如く両手両足をついて震えながら立つのがやっとである
過酷な武道鍛錬でも此程疲弊したことはない
何故白鳥があんなに元気な足取りで歩けているのかが謎だ
それにあの車内でケロッとした顔をしながら道案内をするなど人間の為せる技ではない
「さて、早速仕事と参りましょう!先程約束したからね、サクサク行くよ!」
そう言った太宰に少し休ませろ、とは先程説教した手前云い辛い
「依頼の住所はすぐそこだね…処で、国木田君って幽霊とか狐狸妖怪の類は平気?」
「幽霊?……そんなモノを怖がって武装探偵社が務まるか。いかな魑魅魍魎より、刃物と銃火の方が脅威に決まって居るだろうが」
「白鳥はそう言う系平気だっけ?」
「はい。国木田とは違って全然大丈夫ですよ」
「何故俺が幽霊などが怖いと言う前提で答えている。俺はそんなもの平気だぞ」
「ふぅんそれは善かった。何しろ今回の調査場所は、あそこのようだから」
太宰の指し示す方角に目を移す
そこに在ったのは山奥に佇む、崩壊した黒い建造物
闇を煮染め、死と朽壊の気配も濃厚な、打ち棄てられし廃病院の怪容であった
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» そうですね!(…と言いつつ忘れてた人)←うん!番外編でも書きましょうかね!(織田作さんすいませんという心を込めて)← (2016年10月26日 18時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 今日は織田作の誕生日ですね!!! (2016年10月26日 18時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
朱雀 - 信乃☆さん» こちらこそ、リクエストにお答えしていただいてありがとうございました!キュンキュンしました! (2016年10月23日 11時) (レス) id: 7aee5b4952 (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - るりるり#さん» 正直に言わせていただくと私も書いている途中で吹き出しました← (2016年10月23日 9時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
るりるり# - 国木田さんのビビりヤバいですねww ちょっと画面の前で吹き出しました! (2016年10月23日 9時) (レス) id: e07374d69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月19日 18時