第百四十九夜 ページ7
首領はAを制す手以外は先程と変わらぬ姿勢のまま、太宰に向けて微笑んでいる
太宰は自分に向けられた銃口を、静かな目で見た
「紅茶が未だだよ太宰君」
首領が言った
「まあ座りなさい」
太宰は微動だにしなかった
側面に回り込んだ黒服が、太宰の眉間に自動小銃をつきつけた
「織田作が待ってる」
「座りなさい」
太宰は自分の顔に向けられた銃口をちらりと見て、それから部屋の中央に戻った
そして首領の正面に立ち、静かに告げた
「ずっと考えてました。マフィアとミミックと黒い特殊部隊。この三組織をめぐる対立は誰が操っているのか。そして安吾が異能特務課だと気付いた時、ひとつの結論に達しました。これは異能特務課の計略だという結論です。マフィアとミミック、政府の頭痛の種である二つの犯罪組織を潰し合わせ、あわよくば共倒れを狙う──それが特務課の描いたシナリオであり、この抗争の正体なのだと思いました。だが私は間違っていた」
そう言うと言葉を切り、太宰は首領を見た
首領は微笑んだまま肩をすくめ
「聞いているよ」
と言った
「この絵を描いたのは首領、あなただ。犯罪組織ミミックの脅威を利用し、異能特務課を交渉のテーブルに引きずり出した。そして、その計略の中心的な手駒となったのが、安吾だ」
太宰は半ば目を閉じるように言った
「首領、あなたが安吾をミミック内に潜入させたのは、ミミックの情報を得る為ではなかった。何故ならあなたは、安吾が異能特務課だと最初から知っていたからです。そうですね?」
首領は否定も肯定もせず、ほう。とだけ言った
「そうだとして考えると、いろいろな事実の意味合いが変わってきます。安吾はミミックの内部情報をこちらに伝えると同時に、異能特務課にも伝える役割を持っていた。連中は交渉も妥協も通じない戦場を求める亡霊です。その危うさはマフィアの比ではない。このままでは遠からず政府機関と衝突することになる。異能特務課はそう思った。そしてポートマフィアにミミックをけしかける作戦を思いついた。そして安吾を介してミミックに情報を流し、操作した。ミミックが嚙みつけば、マフィアも反撃しない訳にはいかない。異能特務課はそう考え、安吾に作戦を指示した──あなたの狙い通りに」
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信乃☆(プロフ) - ウイさん» ありがとうございます!アニメの方も二期に入りましたね!それとウイ様の応援を糧に頑張っていきます! (2016年10月6日 22時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 良いです!良いです!とっても面白いです! 更新宜しくお願いします! 頑張って下さいね! 応援してます! (2016年10月6日 21時) (レス) id: 22b43887b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月2日 19時