第百六十六夜 ページ24
「伺いましょう」
太宰が言うと種田は口を開いた
「異能力者を集めた武装組織だ。軍警や市警に頼れぬ、灰色の厄介事を引き受け解決する。そこの社長は心ある男でな。君の希望に添うかもしれん」
太宰は頷いて目を閉じた
何か重要なことを考えているようだった
それから決意したように目を開いて訊ねた
「その組織の名前は?」
「名か?その会社の名はな……」
約十分後、Aは太宰とともに酒場の外に立っていた
「それでは別れる前に、一つ謝らせてください」
Aが切り出すと、太宰は聞くそぶりを見せた
「実は私、首領の差し金なんですよね」
太宰は少し驚く
「幹部達が勢揃いして貴方を始末しようと待ち構えていたのは事実です。でも、首領はやはり貴方が大切だったんでしょうね。彼は秘密裏に私を派遣し、貴方を逃がそうとしました」
太宰は
「首領に大切にされる…ねえ」
と苦笑した
「嫌われるよりは良いでしょう。…まぁ、彼はただ逃げるのを手伝うだけのつもりでしたので、私の気持ちを上乗せして種田長官の元へご案内しました」
Aはそう言ってニコッと笑う
「今思えば君には色々と世話になったねぇ」
太宰が懐かしむように目を細める
「ふふ、私も太宰さんには色々とお世話になりました。これでおあいこです」
Aも遥か昔に思える記憶を辿った
「…じゃあお礼に、一ついい事教えてあげる」
太宰がポツリと呟いた
そしてAが振り向くと
「中也って、意外と年下好きなんだよ?」
と悪戯っぽく笑った
「全く…貴方は最後までそんな調子なんですか」
Aは苦笑したが、太宰はその微かに赤く染まった耳を見逃さなかった
「…それじゃ、2年後の朝八時。地下水路の同じ場所で」
Aは太宰に笑いかけた
「うん。ありがとね夜鳥。中也によろしく言っといて」
太宰も笑みを返した
「はい。お預かりした爆弾、責任を持って中原さんの愛車に仕掛けさせて頂きます」
Aは巫山戯たように敬礼して、太宰と悪戯っぽく笑いあった
「それじゃあまたね」
「はい、約束の時間忘れないでくださいよ」
「わかってるよ」
横浜の繁華街の賑わいの中に、太宰の姿が消えていった
「…さて、帰って首領に報告ですね」
Aはしばらくその場に佇んだ後、建物の陰で狭間扉を発動した
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信乃☆(プロフ) - ウイさん» ありがとうございます!アニメの方も二期に入りましたね!それとウイ様の応援を糧に頑張っていきます! (2016年10月6日 22時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 良いです!良いです!とっても面白いです! 更新宜しくお願いします! 頑張って下さいね! 応援してます! (2016年10月6日 21時) (レス) id: 22b43887b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月2日 19時