第百五十九夜 ページ17
ジイドは長い話をした
同時に織田作も長い話をした
時間は無限に引き延ばされ、彼等は互いに互いの台詞を先取りし続けた
現実の世界では、それは一秒にも満たない間だった
現実の世界ではAが恐るべき早業でミミック兵を全員殺して、ここから離脱しようとしているところだった
流石のAと言えど、ジイドを敵に回し続けるのは危険と見做したのだろう
その世界で織田作は次に、ジイドに銃を向けようとしていた
他の敵を失ったジイドも織田作に銃を向けるだろう
「終わりの時が近いな」
引き延ばされた世界でジイドが言った
「教えてくれ、ジイド」
引き延ばされた世界で織田作は言った
「違う場所を目指そうとは思わなかったのか。途中で生き方を変えることは出来なかったのか。戦場を求め死を求める他に、何か別の」
「途中で生き方を変える？そんな事が出来る筈がないだろう」
ジイドは微笑んだ
灰色の瞳に、悲しげな光が揺れた
「おれは軍人として死ぬと仲間達に誓った。それ以外になることなど不可能だ」
彼等は互いに銃を向け合った
だが一方で、永遠の世界で静かに向かい合い、友人のように対話していた
ジイドは織田作を見ていた
その視線には真摯な感情が見えた
「だが…あるいはそれは、出来たのかもしれない。もっと前の時点で生き方を曲げ、軍人でない何かになることは可能だったのかも…お前が殺しをやめたように。お前のような強さがあればおれにもいつか…」
もはや広間に生きている人間は二人しかいない
互いの心臓に銃口を向け合っていた
ジイドは防弾服を着ていない
織田作も防弾服は先程戦闘で捨てた
胸に弾丸を受ければそれが致命傷になるだろう
引き金は既に引かれていた
弾丸が拳銃の中を滑っていた
一方で織田作達はただ微笑んで向き合っていた
長い長い対話のなかで彼等は旧知の友人のように互いを知り尽くしていた
──複数の異能力が干渉しあった結果ごく稀に全く予想しなかった方向に能力が暴走する事が確認されているそうです
この世界が�牋枅塾呂瞭丹枦性�
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信乃☆(プロフ) - ウイさん» ありがとうございます！アニメの方も二期に入りましたね！それとウイ様の応援を糧に頑張っていきます！ (2016年10月6日 22時) (
レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 良いです！良いです！とっても面白いです！ 更新宜しくお願いします！ 頑張って下さいね！ 応援してます！ (2016年10月6日 21時) (レス) id: 22b43887b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：信乃☆ | 作成日時：2016年10月2日 19時
