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第百五十四夜 ページ12

織田作の銃口から弾丸が発射される



ジイドは体を大きく振って躱そうとした



だが移動距離が足りず、左の二の腕に着弾した



鮮血が後方に飛散する



「くっ……」



弾丸を受けたために拳銃がすっぽ抜け、床を転がっていく



ジイドは床を蹴って後方に距離をとった



「未来が読めなかった気分はどうだ?」



織田作は右手の銃を構えたまま問いかけた



「この世のものとは思えぬほど……最高の気分だ」



ジイドは半月形の歯を見せて嗤っていた



織田作も同じように嗤った



火薬が炸裂し、薬莢が跳ね、轟音が広間を満たした



肘と手首、手首と銃口がぶつかり、相手の銃の軌道をぎりぎりで逸らしていく



耳の上を、顎の下を銃弾が飛び去っていく



殴り合うほどの距離で無数の銃火が燃えさかり、お互いの間に閃光の壁を描き出していく



ジイドの引き金と織田作の引き金が同時に空を叩く



弾切れだ



織田作とジイドはそれぞれの右腕を交差させたまま、同時に弾倉交換を始めた



空弾倉が落ちた



ジイドが腰の予備弾倉を抜いた



織田作は手首のバンドから交換用弾倉を抜いた



ジイドは予備弾倉を銃に再装塡しようと動いたが



織田作は右腕を払ってそれを阻止し、左手に弾倉を握ったまま鉤突きを放った



弾倉の金属が皮膚を裂き、ジイドの頰に朱線が走った



ジイドは体勢を崩しながらも装塡を終えた



織田作はジイドに背中を密着させるように回転し、射撃動作を妨げたうえで半円運動の肘鉄を放った



腰を落としてジイドが回避



円運動の終点で織田作は弾倉を拳銃に装塡した



同時にお互いの眼前に銃口をつきつけた



お互いに相手の右手首を左手で摑んだ



奇妙な姿勢で彼達は静止した



織田作の眼前に銃口



ジイドの眼前にも銃口



ジイドの銃を織田作は左手で摑んでいたが、ジイドも織田作の銃を左手で摑んでいた



左目には銃口



右目には、ねばつくような灰色の視線



「サクノスケ……最高だ。何故もっと早くおれの前に現れなかった」



「悪かったな。今日はとことん付き合ってやる」



手首の拘束を振り払おうとすればその隙に撃たれる



だがそれは相手も同じ



極めて微妙な力の均衡が彼達を静止させ、会話を成立させていた

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也 , 信乃☆   
作品ジャンル:アニメ
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信乃☆(プロフ) - ウイさん» ありがとうございます!アニメの方も二期に入りましたね!それとウイ様の応援を糧に頑張っていきます! (2016年10月6日 22時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 良いです!良いです!とっても面白いです! 更新宜しくお願いします! 頑張って下さいね! 応援してます! (2016年10月6日 21時) (レス) id: 22b43887b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年10月2日 19時

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