◆16bit ページ18
仕事がひと段落つき、休憩室に行くとAの姿があった
「お、Aじゃねぇか。奇遇だな」
俺がそう片手をあげるとAはどうも、と小さく会釈した
他の部下ならここで最敬礼をするが、正直少し居心地が悪いので会釈程度が丁度いい
Aは自販機に目を戻してブラックコーヒーのボタンを押した
Aらしい選択だ
Aが缶コーヒーを取ろうとしゃがむとファンファーレが鳴り響いた
俺は思わずビクッとして音の出どころである自販機を見つめた
Aもビクッとして自販機を見上げる
そこには当たりと書かれていた
ずっと都市伝説だと思っていたが、本当だったとはな…
Aはもう一本!という表示を見て俺を振り返り、
「何か、オススメとかありますか」
と尋ねてきた
俺が暫し悩んで俺の好きなロイヤルミルクティーを指差すと、Aはそのボタンを押してロイヤルミルクティーを取り、俺に差し出した
俺は驚いてAの瞳を見つめる
Aはやっぱ二本も要らないのでどうぞ…と俺にロイヤルミルクティーを押し付けた
俺は少し不器用なAに思わず微笑んだ
「ありがとな」
俺がくしゃっとAの髪を撫でるとAは嬉しそうに笑った
…その表情反則だろ
俺は目を逸らしてロイヤルミルクティーを持って休憩室を後にした
手の中の暖かいロイヤルミルクティーが俺の動揺した心のように揺れる感覚がした
俺が自室に帰ると秘書(男)が機嫌良さそうですね、と俺に声をかけてくる
俺はそうか?と笑ってロイヤルミルクティーを一口口に含んだ
そしてガラス張りの壁越しに、パソコンの前に腰掛けるAを見つめる
Aは俺の視線を感じたのか振り向き、少し微笑んだ
俺は赤くなった顔を隠すように咳をし、書類に目を戻した
「…ニヤニヤすんな」
視線を感じて振り向くと秘書がニヤニヤ笑っていた
「いや、若いとは良いですね」
「うっせ。お前もまだ25だろ」
そっぽを向いた俺に秘書は笑って
「確かに冴月さん綺麗な人ですもんね。お似合いなんじゃないっすか?美男美女で」
と言う
「俺はAに釣り合うほどの美男なんかじゃねぇよ」
「中原幹部なら大丈夫ですよ。この俺が保証します」
「どうだか」
俺は少し緩んだ顔を引き締めて仕事に戻った
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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黒崎雪兎(プロフ) - 千一夜の方も読ませていただいております。どの作品もとても面白いです。これからも応援しています。とても素晴らしい作品をどうもありがとうございます! (2017年4月8日 15時) (レス) id: ca4c1fbb9e (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 天さんさん» そこまで言って頂けるとは……!本当に作者冥利に尽きるというものですね!!そういったコメントを頂けるとドン引きどころかむしろ私がテンション上げまくってドン引きされそうです……w本当にこんな素晴らしいコメントを頂きありがとうございました! (2016年12月28日 15時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
天さん - 評価1票だけじゃ足りません!なんて書けばいいか分からなくなるほど叫びました!本当に、この作品に出会えて良かったです…ありがとうございました!もっともっとこの作品について語りたいですが、ドン引き間違いなしなので、最後に、本当にありがとうございました! (2016年12月28日 13時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 莉猫さん» ありがとうございます!リクエストも受け付けておりますので何かご希望があれば是非リクエストして下さいね! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
莉猫(プロフ) - すごく良かったです!とても微笑ましく、ロマンティックなお話でした! (2016年12月18日 0時) (レス) id: 7c2539bb5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月1日 6時