３９話 ページ41
アキ視点
ハルと私の間に会話はありません。
小さな音も聞き逃さないくらい、静かでないといけません。
ふざけた見た目をしていても、任務には真面目に取り組むようです。
お嬢様、どうかご無事で…。
ガタン、音がしました。
なんでしょう？
窓を開けたのでしょうか。カーテンが外に靡いています。
そこから、外へ飛び出す影。
アキ「…お嬢様！？」
『ア、キっ…！！』
苦しいくらい、抱きしめられます。
お嬢様の身体は、異様に熱くて、震えていました。
アキ「お嬢様、一体何があったのですか…！？」
『わ、かんないの…！なんでこんなに熱いのか！！』
お嬢様から香る、不自然な甘い匂い。
普通の人間には感じ取ることは不可能ですが、私は違います。
アキ「何か、飲食をしましたか？」
『…え、おにぎり…。玲央、が…。』
お嬢様は何かを察したのでしょう、目を見開きます。
『やっぱり、裏…あったのか…。』
悲しそうな、悔しそうな声でした。
…心のどこかでは、信じていたかったのでしょうか。
ハル「アキ！お嬢…！」
あ。
アキ「ハル、貴方は来てはいけません。」
ハル「えっ！？でも…！」
察してください男でしょう。
アキ「…見張りを頼みます。ハル。」
ハル「…わかった。」
渋々といった感じで、ハルはこの場を離れます。
アキ「お嬢様、これを飲めますか？」
『…？なにこれ』
私はいつも常備している薬を手渡します。
アキ「何かしらの異常に効く薬です。」
『何かしらの異常…。』
『にっがぁ！？？！？』
でしょうね。
アキ「でも、すぐに良くなるはずですので。我慢してください。」
『ふぐぅ…。』
確か…ゴーヤの8倍苦いんでしたっけ。
私？私は慣らされているので平気ですよ。
アキ「…あ、でも。副作用で物凄い睡魔が…。」
『いや先に言ってよ。』
アキ「ここでお休みになられますか？」
『ん〜、そぅだね…。』
お嬢様は大きな桜の木にもたれ掛かります。
こんなに即効性が高かったんですね…。
『アキ』
アキ「はい。」
『いつもありがとうね。おやすみ。』
きゅん。
アキ「おやすみなさい。お嬢様。」
…ガチめにときめいてしまった。
くっ、ボディガードににとってあるまじき行為…！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「歌い手」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まき(プロフ) - Miskさん» すみません！忘れていました😭教えてくださってありがとうございます！ (2022年11月8日 23時) (
レス) id: 5e22727ca0 (このIDを非表示/違反報告)
Misk(プロフ) - 突然失礼いたします。検索避けをかけていただくことってできませんでしょうか....? (2022年11月8日 10時) (レス) id: 414d51f1a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まき | 作成日時：2022年2月20日 21時
