２２話 ページ24
彼方視点
こんな早く来なくて良かったか。
何故か、外を見た途端Aのことを思い浮かべたんだ。
もしかしたら今頃、雨に打たれているのではないか。
寒い思いをしているのではないか。
そう考えたら、居ても立っても居られなかった。
傘を持って、外へ飛び出した。
でも、まぁ…謎の葉っぱのおかげで濡れていなかった。
良かった…。
無意識に、頬が緩むのを感じた。
ピシッと、Aが固まる。
…え、なんで？
そして、不思議そうに胸に手を当てた。
ん？
そらる「…どうかした？」
『んー、いや…？なんでもない。』
？？？
『そんなことより、明るくて良い感じの曲って何かある？』
そらる「これまた急だな…」
まぁ、いくつかは思いつくけども。
そらる「…例えば、」
４つ程紹介すると、Aは興味深そうに相槌を打っていた。
『なるほど…。聴いてみるか。』
Aは素早くイヤホンを取り出す。
そしてその片方をこっちに向けてくる。
…ん？
『ほら、彼方も聴こ？』
そらる「あぁ、了解」
そらる「あ、俺ここ好き」
『あー良いよね。転調されてるところ』
わかってるじゃん。
そらる「…っ、…」
びっくりした…。
右頬に、ふわっとした感触。
ん、待って。意外と近かった。
『…？どうかした？』
そらる「…んー。髪質、ちょっと似てるなって。」
色は全然違うけど。
『あ、確かに！染める前だったら兄妹に見えたかもしれないね』
そらる「あぁ、元の色は俺と同じだったんだ。」
『うん』
なんか、嬉しい。
『…あっ！見て、彼方！虹だよ！』
…あ。ほんとだ。
いつの間にか雨は止んで、青空が顔を出していた。
そこから垣間見える七色の虹。
隣で子供みたいに笑うA。
綺麗、だな。
『私、こんな些細な出来事が嬉しいんだね。…彼方が来てくれて良かった！』
照れくさそうに頬をかきながらAが言う。
…あー、移ってきた。
俺も照れそうになるじゃん…。
そらる「…うん。俺も、来てよかった。」
Aって、意外と子供っぽい。
まぁそういうところも好きなんだけどね。
いつか、その笑顔。
俺のものにするから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「歌い手」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まき(プロフ) - Miskさん» すみません！忘れていました😭教えてくださってありがとうございます！ (2022年11月8日 23時) (
レス) id: 5e22727ca0 (このIDを非表示/違反報告)
Misk(プロフ) - 突然失礼いたします。検索避けをかけていただくことってできませんでしょうか....? (2022年11月8日 10時) (レス) id: 414d51f1a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まき | 作成日時：2022年2月20日 21時
