２１話 ページ23
貴方視点
それにしても、この桜キレイだったなぁ。
桜の木で雨は大体防げているけど、念の為大きな葉っぱを傘代わりにした。
…こんなに大きな葉っぱ、どこから来たんだろう。
いいな、有能だ。
こんな時は明るい歌でも口ずさみたいね。
彼方あたりにでも聞いておくか。
あ、けどあの曲、いいかもしれないな。
確か、彼方…もとい、そらるの曲。
ワンダー…だっけな。
好きなんだよね、あの曲。
『ふ〜んふふん♪ふんふふ〜ん♪』
バシャバシャと雨音に掻き消されながらも、リズムを乱さずに口ずさむ。
これ、意外と難しいんだよ？
私、音楽の成績は悪い意味でやばかったからなぁ。
うん。苦い思い出だ。
「っ、A！」
『ん？…あ、彼方？』
傘を持って息を切らしながら走ってきたのは、彼方だった。
そらる「やっ、ぱり…ここにいた」
『おはよー、早いね。』
まだ8時だよ？
健康的で良いんだけども。
真冬も見習ってほしいね。
そらる「…おはよ。雨の日も、ここにいるの？」
『うん。もちろん。ここで一年の半分は寝泊まりしてるんだから』
もう半分は仕方なく家で寝泊まりしてるんだけどね。
もうあっちが第二の家的な存在だよ。
そらる「…そう。じゃあ俺もここにいていい？」
『当たり前でしょ？縄張り争いなんてしないよ』
葉桜と夜桜じゃあるまいし。
『…彼方も、登ってきなよ。目線が高くて風が気持ちいいよ』
…。
…あれ。
なんで目、逸らすの。
そらる「俺が乗ったら、折れるだろ」
『いやいや、私がどんだけ跳ねてもミシ、とも言わないんだよ？大丈夫だって』
…。
…ん？
そらる「…俺、そこまで登れねぇし」
『大丈夫！私が支えるから』
…。
そらる「わかった、言うよ！俺、高所恐怖症なの。だから登れない。」
…え、意外。
ん？でも、なんでそこまで渋る必要があったのか。
…まぁいいか。
『じゃあ仕方ないか。私が降りるよ』
そらる「今気づいたけど、…すごい葉っぱだな」
私が手に持つ傘を見ながら言う。
『そうなんだよねー。そこに落ちてた。』
不思議だねぇ。
『それで、なんでここに来てくれたの？』
そらる「…A、今頃濡れてるんじゃないかって、思ってさ」
あぁ、だから…。
…あれ、傘、一つしか無くね？
？？？
『そっか、ありがとね』
そらる「うん。まぁ、濡れてないなら良かった。」
ふわ、と微笑む彼方。
！？
なんか、心臓がどくんって…。
…気のせい、だよね…？
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まき(プロフ) - Miskさん» すみません！忘れていました😭教えてくださってありがとうございます！ (2022年11月8日 23時) (
レス) id: 5e22727ca0 (このIDを非表示/違反報告)
Misk(プロフ) - 突然失礼いたします。検索避けをかけていただくことってできませんでしょうか....? (2022年11月8日 10時) (レス) id: 414d51f1a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まき | 作成日時：2022年2月20日 21時
