最強の白いガールと初心者ボーイ [イカップル] (ページ21)

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俺は丁寧且つ素早く塗りながら、ステージを降りていく
時折下を見ながら、スペシャルのタイミングを図る
そして、俺が中央高台に近づいた時、ステージ中央敵陣側に、テスラさんを見つける。さらにハイドラントに近づいているのが見えたので、ここだと思い、スペシャルを発動する

「ナイスです！」

テスラさんからナイスが返って来たのを確認し、俺は周りの索敵に集中することにする
しかし、まだハイドラントのデス表示がなかった

「結構近づいてたと思うけどな…気づいて逃げたのかな」

それからしばらくして、敵陣側に行っていたテスラさんが戻ってくる

「ハイドラントを倒してきてくれたんですね。さすがテスラさんです」
「ありがとうございます。でもまだまだですね…あの距離のハイドラント相手に1度取り逃がすとは。危なかったです」
「そうなんですね…」

テスラさんでも、さすがにあの射程の長さに勝つのは難しいか…まぁ、そうだよな

俺はテスラさんをどこか超人のように思っているのかもしれない、とだいぶ反省した

テスラさんだって、俺たちと同じただのインクリングなのに

「あぁ、あとデュアルスイーパーも高台にいたのでおとして来ました。三落ちしてる今が塗り時ですよ」

と、サッと言って、またテスラさんは前線に戻って行った

「デュアルスイーパー…」

今回、敵のブキしか確認していないが、デュアルスイーパーと聞くと、やはりあいつを思い出す

「そういえばあいつ…結局、本当にデュアルスイーパーを使ってるのか？」

そう思いながら、俺はその後もひたすら塗り続け、アーマーを貼ったり、高台にボムを投げたりして前線をあげる味方を援護した
が、デュアルスイーパーがゴロゴロとスライドしながら、中央広場に抜けて降りてくる

「うおおおおお」

そしてその人物が、俺のよく知るデュアルであることに気がつく

「お前っ、本当にデュアルなのかよ！」
「あ、シューターじゃん。下にいたのか、気づかなかったー。ってことで見逃せっ！」

そう言ってデュアルは俺に向かってスライドで転がりながらインクを放つ
俺も何とか反撃しようとするが、インクが一向に当たらない

「くっそ…ゴロゴロうぜぇ…」
「あはははっ。マニューバーって楽しいな！」

すると、敵陣側にスライドしたデュアルに影が落ちる。
上を見ると、テスラさんがローラーを振り下ろして来ていた

「あ」