暇ですね…… ページ9
ある日のポアロでのバイト中、夕方頃になるとお店に少年探偵団の子供たちしかお客さんがいなくなった。
『……暇ですね』
隣でグラスを磨いていた安室さんに話しかける。
「そうですね。今日は朝から人が少なかったですし、今も僕達とあの子たちしかいませんしね」
少年探偵団が入ってきた時「なんだか貸切みたいですね〜」と光彦くんが言っていたのを思い出す。
『……ふふっ、本当に貸切みたい』
「……なんなら僕達もコーヒーでも飲みます?」
安室さんがチラッと私の事をを見たあと冗談交じりでそう聞いてきた。
『遠慮しときます。いくら暇でも今は仕事中ですから』
私がコーヒー飲めないの知ってるくせに。
「あぁ、そういえば紡さんはコーヒー飲めなかったですっけ」
安室さんは今思い出したという言い方をした。
『……そうですよ』
安室さんの言葉にムッとしていると入口のドアが開く音がした。
『いらっしゃいま……』
「「チョリース!」」
入ってきたのはサングラスをかけた2人組だった。
『げっ』
「えっ!?顔を見た瞬間『げっ』は酷くない?」
「せっかく来てやったんだから、もっと嬉しそうにしろよな」
その2人組は原健一と津田陣だった。
『……キテクダサッテウレシイデス』
「ふはっ!片言じゃないですか」
後ろにいた安室さんが笑いながら近くに来た。
「あっ、安室ちゃん〜」
「いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ」
そういい安室さんが2人を席に案内する。
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作者名:エスポワール | 作成日時:2023年5月30日 21時