警察の寄宿舎? ページ8
『んっ』
日差しの眩しさに目を覚ます。
(……あれ?ここって……)
辺りを見回し自分が何処にいるのかを確認した。と、同時に昨日の事を思い出した。
(……やってしまった……まさかここまで酔うとは……)
コンコン
ボーゼンとしていると部屋をノックする音が聞こえた。
「紡ちゃーん起きてるー?」
ノックの主は広川だった。
『……起きてるー』
「朝ごはん作ったけど食べる?」
『うん、着替えてから行くからちょっと待ってて』
「OK〜」
着替えを済ませ軽く髪をとかして部屋を出た。
リビングに行くと何故か安室の姿もあった。
「紡ちゃんおはよー」
『おはよう、えっ?なんで安室さんまでいるの?』
「おはよう……昨日は泊まらせて貰ったんですよ」
安室が笑顔で答える。
『なるほど……ってそうじゃなくて何で入れるの?』
「ダメだった?夜遅かったから帰るの大変かな〜って思って」
『そ、それはそうだけど……まだ言うつもりなかったのに…』
この"家"についてはいずれは言うつもりでいた。だけどそれは今では無いはずだった。まぁ、でも知られてしまったからには仕方ない!ここは正直に……
『安室さん、この家の事だけど実は…………警察の寄宿舎なんです!』
「「「え?」」」「ブッ」
広川・原・安室の声が重なる。そして津田は飲んでいたコーヒーを吹き出した。
『……ちょっと津田さん、汚いですよ』
「誰のせいだよ!」
『さぁ?』
「……ふっ、ははっ、あははっ!」
そんな様子を見ていた安室が笑いだした。
『え?笑う所ありました?』
「いや…すまない。そうか、寄宿舎か、今はそういう事にしておこう。」
『今はって……』
「……とりあえず朝ごはん食べよっか。お腹空いたでしょ?」
広川はそう言い料理を運んできた。
「おぉ〜、料理お上手なんですね」
「はい、それなりに」
『今度はちゃんと招待しますね。……その時に安室さんにもきちんとお話します。』
食事が終わりリビングで談笑している安室に見つめ誰にも聞こえない声で呟いた。
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作者名:エスポワール | 作成日時:2023年5月30日 21時