あの日のこと 5 ページ19
それから約5分後あの男を見つけ路地裏に追い詰める。
『はぁ、はぁ』
男を路地裏に追い詰めるため全力で走ったため凛は息が切れていた。
そんな凜をよそに男は追い詰められているにも関わらず余裕そうにしていた。
「おやおや、随分とお疲れのようですね」
『……貴方の負けよ。観念して私に捕まりなさい』
「……そうですね〜、このままでは私は負けてしまう。あぁ、そういえば貴女にまだ言ってない事がありました」
男はそう言い持っていた鞄から3本の黒いゆりを取りだした。
『?それがなんだと言うの?』
「……これ、実は3種類あるんです」
『……3種類?』
「ええ、貴女が解いたのはこのうちの一つだけ。他のふたつには別のことが書いてあるんです。……ご覧になりますか?」
凛は差し出された花を恐る恐る受け取り、書いてある文字を見た。
2かな0たかぷ2たんあひまはぬえ5めかひのらとにごま8ふあしん4はごとひと
1ひねと3まりのじ4ぽりほ8ねとうひかげか6らもい
素早く書いてあることを読み取り言葉を失った。
『20分前から5分ごと……13時崩壊……?』
「さすが早いですね……ちなみに爆弾は全部で20個です」
凛はばっと時間を見る。
(12時27分……あと15分もない!)
急いで風早に電話をかける。その様子を男はにこやかに笑い眺めていた。
『凛?どうかしたか?』
「今どこにいるの!?」
『どこって……弥生デパートだけど』
「麗華は!?他のお客さんは!?警察はもう来てるの!?」
『落ち着けって。何があったんだよ』
「いいから答えて!」
『……警察はとっくに到着していて今は中にいる人の避難を行ってて俺と麗華もそれを手伝ってる。あと中に居るのは7階と8階に居た人達で今下に降りてるけどなんかトラブルがあったみたいで全然進めてない。で、爆弾の方だけど既に爆処の人達が解除に取り掛かってて既に10個は解除してる』
「……それじゃ間に合わない!爆弾は全部で20個!12時40分から5分事に爆発して13時に残りの爆弾が爆発する!」
『なんだって!?』
『探し出して解除してる時間なんてないわ!爆発物処理班の人達も避難しないと!急いで!あと10分しかないわ!』
『分かった!警察の人達にもそう伝える!』
一旦電話を切り男を睨みつける。
『……最初から私に勝たせる気なんてなかったのね』
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作者名:エスポワール | 作成日時:2023年5月30日 21時