人魚姫 #Hayato Komori Ⅱ (ページ40)

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「なんだ……」

何も言えなかった

なんだ、ってどういう意味なのかわからなかったから

「俺さ、こないだ久しぶりに会ってすげえ嬉しかったのに

いきなりすぎてなんも言えなかったしいきなりすぎて逃げた」

『うん』

「まだ、俺のこと好きでいてくれてる？」

やっと、ついに言える日が来たんだ

隼にこの想いを伝える日がきた

『うん、好きだよ』

「俺も好きって言ったら、受け止めてくれる？」

もしかしたら隼もって、なんとなく思っていたんだけど想像以上にその言葉は嬉しくて、にやけるのを我慢して言う

『うん、受け止めるよ』

「付き合ってって言ったら、付き合ってくれる？」

『うん、付き合うよ』

今まで覆っていた顔をやっと見せて立ち上がった隼

「好きです、付き合ってください」

やっと顔を上げたのにまた頭を下げた

『うんっ、お願いします』

顔を上げた隼は、嬉しそうで、泣きそうな顔をしていた

「いいのっ？」

『いいの！隼しかいないの』

少し前まで亜嵐と付き合ってたくせに私はとことん都合のいい女だ

そんな私を隼は強く抱きしめた

「好きだよ」

『私も好きだよ』