10話 ページ12
貴方side
「怖がったら駄目。なんでも自分で決めつけてはいけないの。」
保健室から出たあと 先生の言葉が 離れない
1人教室で外を見ながらため息をついた
「なぁに〜?ため息なんか着いちゃって」
「...及川..。」
部活が終わったのかエナメルバッグを肩にさげて
ドアに寄りかかっていた
ゆっくりと私の方へ歩き出す
「A、好きな人いたんだ」
「...まぁ、私も女子ですから?」
「ゴリラだと思ってたよ」
「埋めるぞこら」
こんな風に話せなくなるのは絶対いや
でも、伝えなきゃダメなんだ
そう思うと胸が苦しくなる
「A、帰ろっか」
そう言って右手を出す及川に自分の手を重ねた
「うん」
及川side
Aと手を繋いで帰る
気がついたら手を差し出していた
意識もせず自然に動いた右手
きっとなにか理由があるはずなんだ
もうそろそろこの気持ちに気づかなきゃいけない
いや、もしかしたら気づいていて、気付かないふりをしているのかもしれない
"幼馴染"っていう壁があるから
今日の話を聞いて分かったことは
愛する人のキスじゃなければ戻らない事
そして、Aに好きな人がいること
好きな人がいる この言葉が頭の中にぐるぐると回った
俺じゃあ、元のAに戻せないのか...
なんて、諦めてる
けど、ほんの少しでも可能性があるなら...
俺は繋いでいるAの手を意味もなくぎゅっと握った
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作者名:su | 作成日時:2018年6月13日 21時