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「ったく、ほんとに危なっかしいな、お前は」
「ご、ごめん！」
Aは恥ずかしそうしながらも、行き場に迷った手をゆっくりと玲王の背に回すとギュッと力を込めてきた。
「玲王は昔から暖かいね」
「ん？そうか？」
「うん、私、玲王の体温を感じるとすごく安心する」
玲王の胸板に頬を擦り寄せるその姿は、まさに猫そのもののようだった。甘い香りがツンと漂い、密着した肌からAの熱を感じて、玲王の胸にもその熱が伝染する。
「なあ、Aってさ、俺のこと好きってことでいいんだよな」
「え、いきなり、何言ってるの？」
「だって、まだお前の口からなんも聞いてねぇし」
Aは太陽にも負けないくらい真っ赤な顔をして、揺らめく水面に視線を逃そうとした。
今の玲王には視界にとらえた水の冷たさなんてまるで感じない。触れ合う肌の暖かさ、Aの熱気を帯びた視線、Aの恥じらう姿。それらに囚われて、無性に加虐心ばかりを覚えた。
「好き、だよ……？」
「誰のこと？」
「も、もう！」
Aは怒ったように言いながらも、小さな体を一層縮こませて玲王の胸元にもたれかかる。
彼女は男の人に好意を伝えたことがないため、愛情表現に慣れていないのだ。それでも、何度か小さな口をはくはくと震わせた後、波の音に掻き消されてしまいそうな程小さな声で呟いた。
「玲王のことが……好き」
その言葉を聞いた玲王は、今世界で一番幸せなのは自分なのではないかと思った。
これまで何度も告白を受けてきたことはあるけれど、Aに向けられた愛は特別であり、至上の喜びとなって玲王の胸をいっぱいに満たした。
「今のもう一回、いやあと数回」
「ちょっと、なんで！次は玲王の番でしょ！」
「俺は何回も言ってんだろ。あー……それとも、まだ聞き足りねぇ？」
Aは素直にこくり、と頷いた。物欲しげに、それでいて憂げに震える瞳は恋に溺れたマーメイドの如く一心に玲王だけを見つめている。
そんな目で見つめられて、応えないわけにはいかなかった。
「……好きだよ、A。俺はお前が好きだ」
普段であれば屈託のない笑みを浮かべる彼女に、ふいに蠱惑的な色が帯びたような気がした。誰も知らない彼女の真の姿を暴いたような気がして、自然と身体がゾクゾクと震え上がる。
「玲王、今の、もう一回言って」
甘い声で誘惑しながら、熱気を帯びた身体を更に押し当てられて、玲王は息を呑んだ。水に浸かった衣服越しのAの肌の感触は、酷く柔らかくて一層劣情を煽る。
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黄泉(プロフ) - 七星さん» はじめまして、コメントありがとうございます！またこのお話をお読みくださり、面白いとのお言葉までありがとうございました！🥳 わっかります、むしろ、彼にならどんな手を使っても奪われたいくらいですよね笑 どこかでご縁がありましたら、またお願いします！ (2023年2月7日 23時) (
レス) id: ead223a600 (このIDを非表示/違反報告)
七星 - とっても面白くて、一気に読んじゃいました.ᐟどんな手を使ってでも玲王くんなら許しちゃうかもです(笑) (2023年2月7日 22時) (レス) @page34 id: 0897eb2537 (このIDを非表示/違反報告)
黄泉(プロフ) - 真昼さん» はじめまして、コメントありがとうございます🙇♀️続きが楽しみだと言って頂けてとても嬉しいです！あと少しで完結になると思いますので、どうぞもうしばらくお付き合いの程よろしくお願いしますm(__)m (2023年2月4日 11時) (レス) id: fe076a4b2d (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 続きが楽しみです！ (2023年2月4日 10時) (レス) @page19 id: 94c427d0c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黄泉
| 作成日時：2023年1月28日 10時
