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私は引き返しながら、スマートフォンで検索をかける。そこには衝撃的な記事の一面ばかりで、私は驚愕するばかりだった。
ミヒャエルはバスタード・ミュンヘンというドイツのクラブチームに所属しており、新世代11傑と呼ばれる内の一人として名を馳せているらしい。それがどれだけ凄いことなのか私にはよく分からなかったが、ただの一般人ではないことだけは分かる。
だったら、尚更彼と離れて正解だった。私には荷が重い。彼と関係を持っていたという事実が一層現実味を失わせていき、あれは本当に夢の中であったのだと言い聞かせることでどうにか平静を保っていた。そうでもしなければ、情報過多に脳が判断を誤りそうになる。
「おい、逃げるな」
「へ……？」
「そうだ、そこのお前に決まってるだろ」
私よりも足の長いミヒャエルにはすぐに追いつかれて、背後から声をかけられた。無視を貫くと決めていたはずなのに、私の足は気づけば止まっている。意志薄弱な自分の特性は相も変わらずであり、彼にもきっとそれは見抜かれていた。だから、私は容易に操られる人形にしかなれないのだ。
「……今更何しにきたの？私たち、もう終わりなんでしょう？」
「はは、今日は随分とご機嫌ナナメだな。そんなお前も可愛いが」
「______ふ、ふざけないでよ」
「ふざけてるのはお前の方だろ。勝手に終わったことにするな。俺がこの数ヶ月どんな想いで過ごしてきたか分かるか？そりゃあもう、毎日お前のことしか考えられなかったんだぞ？責任とって結婚しろ」
ようやく全てを忘れられそうになっていたのに、またしても胸中に土足で踏み込んで来ようとするミヒャエルには、心底うんざりしていた。それに加えて、プロポーズとも言い難い理不尽な愛の言葉には思わず返す言葉も浮かばない。
何も知らなければ、このままでいられたかもしれないのに。
全てを知ってしまった今では彼の正体を知れて安堵している自分と、知らないまま夢の中の存在として終わらせたかった自分がいて混乱する。
「じゃあ、なんで、正体を隠したりしてたの……？」
「言ったらお前はこうして逃げるだろ？俺も不安だったんだ。らしくないかもしれないが、それだけお前を愛しているからな。確実にこの手に堕ちるまでは、言わないつもりだったんだが」
「や、やめて！私はあなたに振り回されるのは懲り懲りなの！それに、ワールドベストイレブン？だかなんだか知らないけど、私なんかと釣り合わないから……」
普段聞いてきたミヒャエルの軽薄な愛の言葉が、今になって初めて重みを感じる。
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玉子ぷりん - 見てて「こういうのもいいな」と新しい扉がひらいた気がします！（？）完結おつかれさまです！これからもおうえんしてます！ (2023年4月3日 22時) (
レス) @page23 id: 07e67c9327 (このIDを非表示/違反報告)
黄泉(プロフ) - ひてゃんさん» はじめまして、コメントありがとうございます！また、このお話を最後までお読みくださりありがとうございました！ひてゃんさんに、そのように言って頂けてとても嬉しいです🍀またご縁がありましたら、その時はよろしくお願いします🙇♂️ (2023年3月5日 0時) (レス) id: ead223a600 (このIDを非表示/違反報告)
ひてゃん(プロフ) - とてもおもしろかったです！！完結お疲れ様でした👏🏻❤️🔥 (2023年3月4日 12時) (レス) @page23 id: beb1a37d1b (このIDを非表示/違反報告)
黄泉(プロフ) - 悠さん» 悠さん、改めまして最後までお読みくださりありがとうございました！また、再びコメント頂けて嬉しいです🥰彼に人生狂わされたくて思いついた話なので、そのお言葉とっても胸に響きます😊今後ともご縁がありましたらよろしくお願いします🙏 (2023年3月4日 7時) (レス) id: ead223a600 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 自分はウェブで見てるのでフォローとかができないんですけどツイッターも見てます！ 改めてお疲れ様でした！ (2023年3月3日 23時) (レス) @page23 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黄泉
| 作成日時：2023年2月11日 16時
