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獰猛にかぶりつかれて、太い舌を捩じ込まれる。口内のあらゆるところを舐め回されて息苦しさに身を捩ろうとするも、そのまま抱き竦められ押し倒された。縺れ合うように狭いアパートの壁をずるずると這いながら、私はミヒャエルの胸板を押し返そうとする。
しかし、そんな小さな抵抗など彼には無意味で、強引に服の下に手を伸ばされそうになった。
怒りを孕む熱い空気が纏わりつき、いつになく乱暴な手つきで弄られると、彼が別の男の人のようにも思えて恐怖を覚える。私が身を震わせると、ミヒャエルが酷薄な笑みを浮かべた。
「自分の所有物に手を出されたらクソ不快にもなるだろ？ああ、お前には分からないか。これだから野良猫は躾がなってなくて困るな？」
「き、聞いて！あ、あれは違くて」
「いい、俺が甘かった。お前には首輪の一つでもつけて分からせてやらないとダメだったな」
軽口を叩く声色は普段と何ら変わりないのに、表情を一つ変えない面にはどことなく殺気が漂っている。
ミヒャエルは黒く淀んだ独占欲を露わにするように、乱暴に私の身体を暴いた。全身をくまなく這う手つきは荒々しく、いつになく執拗深い愛を植えつけられる度に胸がぎゅうと締め付けられる。お前はただの所有物なのだと、だが、他の男には決して手渡さないという証を身体中に埋め込み、私をどこまでも奈落へと突き落としてゆく。
なんとも、酷い抱かれ方をした。どこまでも深く身体を繋げ合っても、そこに心はないのだと感じさせるような独りよがりな行為の押し付けだ。けれど、ミヒャエルの熱を与えられてこの身体はどこまでも狂喜する。それがさらに私を苦しめて、一層彼に溺れてゆく。
けれど、これが最後の情けなのかもしれない。
私は彼から与えられる悦楽に堕ちながら、そう予感していた。
翌朝、私は一人ベッドの上で目覚めた。当然、隣にミヒャエルの姿はない。やはり全てが終わりなのだと、そう思った。
どこまでも虚しさを覚えて、涙が溢れ出して、心は急速に冷えていき、私はもう会うのをやめようと決意した。
こうして連絡先も勢いで消してしまえば、メッセージが来ているんじゃないか、と気にしなくて済む。もう、ミヒャエルのことばかり気にして生きていかなくて済む。
それだけで囚われ続けた呪縛から、ようやく解放されたような気がした。
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玉子ぷりん - 見てて「こういうのもいいな」と新しい扉がひらいた気がします！（？）完結おつかれさまです！これからもおうえんしてます！ (2023年4月3日 22時) (
レス) @page23 id: 07e67c9327 (このIDを非表示/違反報告)
黄泉(プロフ) - ひてゃんさん» はじめまして、コメントありがとうございます！また、このお話を最後までお読みくださりありがとうございました！ひてゃんさんに、そのように言って頂けてとても嬉しいです🍀またご縁がありましたら、その時はよろしくお願いします🙇♂️ (2023年3月5日 0時) (レス) id: ead223a600 (このIDを非表示/違反報告)
ひてゃん(プロフ) - とてもおもしろかったです！！完結お疲れ様でした👏🏻❤️🔥 (2023年3月4日 12時) (レス) @page23 id: beb1a37d1b (このIDを非表示/違反報告)
黄泉(プロフ) - 悠さん» 悠さん、改めまして最後までお読みくださりありがとうございました！また、再びコメント頂けて嬉しいです🥰彼に人生狂わされたくて思いついた話なので、そのお言葉とっても胸に響きます😊今後ともご縁がありましたらよろしくお願いします🙏 (2023年3月4日 7時) (レス) id: ead223a600 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 自分はウェブで見てるのでフォローとかができないんですけどツイッターも見てます！ 改めてお疲れ様でした！ (2023年3月3日 23時) (レス) @page23 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黄泉
| 作成日時：2023年2月11日 16時
