捨て猫に恋をした【桃】

第４話 ページ5

捨て猫のさとみくんを拾って二日目

「ねぇー！起きて！」

さとみくんはまだ寝ている
仕事があるから取り敢えず起こす

「にゃ？にゃ〜お」

猫だと「にゃー」しか発さない
まぁ猫が話しかけてきたら怖いけど

「え？会社？俺置いて？」

猫からドンッ、と人になる

「そ、そうだけどしょうがないよ」

「う〜ん。だって一応猫だから料理が出来ないね。どうしよう」

都合の悪いときだけ猫と言える
人になって作れば良いのに

「同じ会社に行けば良いじゃん！」

「へ？」

確かに、と思ってしまった自分がいる

「同じ会社に行く？」

「行く！」

さとみくんは首をぶんぶん上下に振る

「でも名前はどうするの？名前無いじゃん」

下の名前は付けたけど名字がない

「え、そんなの決まってるじゃん山田だよ」

「はい？」

確かに同居してると言えばしてるし...
さとみくんに振り回されてばっかじゃん！

「山田さとみです！どう？」

「い、良いんじゃないの？」

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