story・7 ページ8
「すいません!やっぱり中は入れないみたいで…、ちょっとここで待っててもらえますか?職員室はすぐそこなんで!」
「…えっ?あ、う、うん」
風磨が校門の前でぽかんとしていると、澪乃に声をかけられた。
そして、彼女はすぐに中へと引き返し、校舎内に消えていく。
大学生の彼女の忘れ物を一緒に取りにきたはずが、なぜか中学校にいるという、わけがわからない状態に、風磨は頭を抱えたくなった。
しかし、落ち着いて考えると……
(いや、確かに大学に行くとは言ってねぇ。ここもキャンパスを通り抜けた方が近いし…、てか大学生とも言ってねぇ気が……)
要するに、自分が勝手に勘違いしまくったのだ。
(ここ、俺の大学の付属中学か…)
周りを見る余裕もでき、さらに考える。
(大学生って思ったけど…勘違い?…まさか中学生じゃないだろ?あっ…、そう言えばさっき職員室がどうのって……)
「お待たせしました!」
考え込んでいる風磨に再び声がかかり、財布を片手に持った澪乃が近くに来る。
「ごめんなさい!時間がかかってしまって…。えっと…850円でしたっけ?」
「あっ、…うん、あってる。あのさ、澪乃さんってここの…」
「教師ですよ?英語教えてるんです。…っと、ごめんなさい。本当はちゃんとお礼したかったんですけど、用事ができてしまって…」
「えっ?そうなんだ?」
「本当にごめんなさいっ!また、電車で会ったら声かけますね?…ではっ!」
「あっ!…またね!……っと、本当に急いでんだな…」
澪乃があっと言う間に校舎内に消えていく様子見て、風磨は軽く笑う。
彼女が学校の先生だとわかり、驚きはあるけれど。
「今日は…いい日だな♪」
満足そうな笑顔を浮かべ、風磨は駅へと歩き出した…。
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ふままふ - 風磨君ヤバい! (2014年8月23日 10時) (レス) id: c535008a92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪乃っこ | 作成日時:2014年8月8日 1時