彼女は僕の上ですが？ (ページ7)

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story・６ページ7

やっと。

彼女に声をかける事ができた。

困っている彼女を助けられると、思いきって行動したが、自分でも驚いている。

後の事なんて、もちろん考えていない。

しかし、学校に置いてきたかも知れないと…言う彼女の言葉にピンときて、どんどん話を進め、今は二人でキャンパスに向かっている。

彼女も同じ大学生だ。

その事に気づき、嬉しくなってしまった風磨は、自分からどんどん話かけた。

「ねぇ、名前は？俺は…菊池っていうんだけど…」

「あっ、えっと…琴原澪乃です。」

「琴原…さん、か。あのさ、電車乗る時に駅の西口に近い車両いつも使ってない？」

「あぁ、使ってますね！…もしかすると菊池さんは、水曜日の夕方５時半くらいにその車両、乗ってません？」

「乗ってる乗ってるっ！俺ドアの近くの壁によくもたれてて…」

「やっぱり！…お店で見た時に、見覚えがあるなって思ってたんです！」

うんうん頷く澪乃の様子が可愛らしく、頬が緩む。

さらに、自分の事も認識してくれてたと分かれば、顔は崩れっぱなしだ。

その後、カフェや電車の話をしながら、キャンパス内を進み、主要な校舎を通りすぎていく。

(…あれ？この先って裏門しかなかった…よな？)

向かっている方向にふと疑問を感じた所で、やはり裏門に着いてしまい、彼女に続いて門を出る。

「あの…「あっ！どうしよう！この時間ってパスなしだと入れない気が…、ちょっと確認してきます！」」

風磨が声をかけると同時に、澪乃は慌てて声をかけ、先に行ってしまう。

「…えっ！？ちょっ…」

取り残された風磨も、慌てながら、数十メートル先にいる彼女の姿を確認し、足早に歩き出す。

そして、たどり着いた先は…

「なっ…、なんでここ…？？」

確かに学校だった。

ただし、

「………中学校ぉっ！？」

通うのは中学生……。