story・16 ページ17
「ありえねぇ…ありえねぇよ…」
奥の席に座る男は、片頬をひきつらせながらブツブツと呟いている。
「??…風磨くんなんか「変…なんて突っ込んでも聞いてないと思うよ?」」
「?ふーん…」
マリウスの疑問に答えたのは、後から晩御飯に参加した佐藤勝利だった。
そして、彼と同じく後からやって来た中島健人は……
「うっそ、まじ!?そこに行けばあるんだ?知らなかった…!」
「そうそう、私も最近知ったの!」
澪乃と談笑していた。
三人でご飯のはずが、マリウスは「健人くんも一緒〜♪」と勝手に呼び出し、同じ現場だった勝利も付いてきた。
そして、始めはマリウスと、その後は健人と話が盛り上がり、風磨はほとんど話する事なく、奥の席に追いやられた。
「……つまんねぇー。」
せっかく澪乃を誘ったけれど、この状況は全くもって面白くない。
そんな時間がしばらく過ぎ、話が一段落した所で、澪乃が席を立つ。
「…っと、ごめん、ちょっと御手洗いに…」
頼りない足取りで、トイレのある方へ歩き出した。
お酒がすすんでいたようで、酔っている事は間違いない。
大丈夫か気になり、風磨も腰をあげようとしたが、隣から腕を引っ張られる。
引っ張ったのは、健人だ。
「風磨、今から俺ら帰るから!…後、頑張れよ〜」
「っ!?…ちょ、まっ「ま、カメラだけは注意して…お楽しみ下さ〜い!」」
ニヤニヤしながら手を振り、いつの間にか帰る支度をしたマリウス達と席から去って行く。
「…まじか。」
もうすぐ彼女が戻ってくる。
昼間とは違う“二人きり”
心臓がうるさく鳴り始めた…
51人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふままふ - 風磨君ヤバい! (2014年8月23日 10時) (レス) id: c535008a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:澪乃っこ | 作成日時:2014年8月8日 1時