story・14 ページ15
「ここ…かな?」
大きな建物を見上げて、スマホの画面と見比べる。
「…う〜ん、あってるよね?」
澪乃は、建物の前でそわそわと辺りを見渡す。
『この曲のレコーディングが今度あるんだけど、いつも発音とか教えてもらってる奴が捕まんなくてさ。だから…、いや、無理なら自分でなんとか……』
『えっ?私で良ければやるよ?』
『うそっ!まじで!?』
ふとした事から、菊池くんに英語を教える事になった澪乃は、指定された建物へとやってきた。
スタジオと聞いているが、外から見ただけでは全くわからず、不安になる。
そこへ…
「澪乃さんっ!」
呼ばれた声のする方を向けば、隣接されている駐車場から、サングラスをかけた男が手を振っている。
菊池くんだ。
その姿に安堵し、手を振り返す。
足早にこちらにきた彼は、建物の入り口へと促した。
「早かったね?俺先に来て待ってるつもりだったからさ、びっくりした。」
「そうなの?私も早めに家出すぎちゃって、困ってたから…ありがとう!」
「いえいえ!俺の方こそ、まじで助かるよ。」
二人で話をしながら、建物の中に入る。
連れられてやってきたのは、控え室のような部屋が並ぶフロアで、その中の一室へと二人で入る。
「この部屋レコーディングまで借りてるからさ。教えてもらって、んで、その後スタジオにも付き合ってもらえればって思ってんだけど…、大丈夫?」
「うん、大丈夫!…じゃ、さっそく、ビシビシいくよ?」
「…おうっ!」
互いに笑いながら、学校の授業とは違う『特別な生徒のレッスン』がスタートした…。
51人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふままふ - 風磨君ヤバい! (2014年8月23日 10時) (レス) id: c535008a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:澪乃っこ | 作成日時:2014年8月8日 1時