story・12 ページ13
「……なっ?見えないだろ?」
風磨は自分のスマホを健人にぐいっと見せる。
「う〜ん…、見えない…かな。この写真じゃわかりにくいけどね…」
「いや、まぁ、写メ送ってなんてまだ言えねぇからさ。この写真も連絡先交換して、たまたまSNSのを見つけただけだから…」
「…ふーん」
晩御飯を一緒に食べながら、風磨は澪乃との出来事を全て健人に話した。
この前の電車の中ではわずかな時間だったが、少しでも話がしたくて…。
いろいろ聞いていくうちに、歳の話になったのだ。
風磨は、先生とわかっても、新卒で23才くらいだと思い込んでいた。
しかし。
『私が学生の頃なんて、そんな事なかったですよ?…って言っても結構昔の話ですけど』
『昔って…、澪乃さん卒業したのそんな前じゃ…』
『…?6年前を昔って、ちょっと大げさに言い過ぎでした?』
『えっ!?…今、澪乃さんって何歳、、』
『28ですね。よく子どもっぽいって言われますけど…』
そう言って、彼女は照れ笑いをした。
「背が小さいってのもあるけど、絶対二十歳そこそこにしか見えないからさ、俺敬語も使ってねぇの。…てか逆に彼女が使ってたのをやめてもらったよ。」
「……ふーん」
「9つも年上はぜってぇ見えない!まじで驚いた。顔も声もなんつうか……幼くてかわいい感じ?ってか雰囲気もふわっとしてて、ほっとけないような…さ?」
「……ふーん」
「…なんだよ?」
健人は先ほどから生返事をしているが、目はじっと風磨の顔を見つめている。
「……ふまたんはさ、その彼女のことが好きなんだよね?」
「えっ?」
「いや、女の子の事こんなに夢中に話してる風磨見たことないしさ?なんかもう恋する少年そのものだよね?」
「……えっ!?俺…が?澪乃さんを?好き………?」
「なんだ、自覚ないじゃん?」
肩をすくめて健人は御飯を食べ出す。
ずっと目で追いかけていた彼女。
やっと声をかけ、いろいろ知って…
「俺、恋してんの……?」
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ふままふ - 風磨君ヤバい! (2014年8月23日 10時) (レス) id: c535008a92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪乃っこ | 作成日時:2014年8月8日 1時