彼女は僕の上ですが？ (ページ12)

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story・１１ページ12

「……ぜっってぇ、見えない！」

「な…風磨！？また今日はえらく…あの…」

「変だね。」

遠慮がちな中島健人の後に、佐藤勝利があっさりと答える。

『ぜってぇ見えない！』といきなり声をあげたのは、最近様子の安定しない菊池風磨で。

「見えない見えない…、いや、でも事実だよな…ってか！んな事関係ねぇ…んだけど、連絡先も……うん…」

風磨はさらにブツブツと独り言を続ける。

しばらく観察していた健人は、興味を持ち、風磨に声をかけた。

「何がどう見えなくて、風磨に関係なくて、連絡先をどうしたって？」

「……！」

聞こえた要点だけを詰め込んで聞いてみると、案の定、風磨は豆鉄砲をくらったように驚いている。

「……全部聞こえてるからね？」

「えっ？うぉっ！まじかっ！…いや、恥ずいな…」

彼には聞こえている事に意識なんてなかったようだ。

「俺で良ければ相談のるよ？一応年上だし？」

「……じゃ、お願いするよ、オニイサン？」

照れたように答える風磨に、フッと笑いかけ、晩御飯を食べる約束をした後、健人は撮影に向かう。

(メンバーの管理。これも大切なんだよ。グループのリーダーとして、ね)

最近の風磨に何が起こっているのか。

これでなんとか探ってみよう…。