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綺麗に巻かれた包帯を見ながら『ありがとうございました』とお礼を言う
福良さんはもう救急箱を片していた
「Aちゃん、刃物禁止」
そう呟かれ僕は少し苦笑いをする
裏方では割とカッターやハサミなどをよく使うので刃物禁止はほんとに厳しいものがある
『ちゃんと気をつけるので、それだけは…』
僕がそう言っても「だーめ、これ以上怪我したらどうするの?僕、何回手当てしたと思ってるの」そう丸め込まれてしまう
僕はウッと声を詰まらせて伊沢さんの方を見る
彼もいつものおちゃらけた様子とは違い真剣な顔で首を横に振った
伊沢さんも福良さんの味方のようだった
僕は『分かりました』と言い使っていたカッターを川上さんに渡す
「え、なんで俺なん?」
なんて言う彼に何も言わないで僕はパソコンを開き、ヘッドホンをつけて編集をする
心配してくれるのはほんとに嬉しいが、僕はちゃんと役に立ちたかった
福良さんが僕みたいに怪我をするのは嫌だし…もちろんほかのメンバーが怪我をするのも嫌だ
なら、僕がそういう系の作業を進んでやった方がいいと思ってた
そんな思考を巡らせながら編集をしてると頭を急に撫でられた
僕は驚いて顔をあげればそこには困った顔の福良さんが立っていた
ほかのメンバーは撮影に行ったのか誰もいなかった
彼は優しく頭を撫でながらヘッドホンをずらした
「Aちゃん、ちょっと休憩ね」
そう言われ僕は動かしていた手を止めた
僕の前に紅茶を置いて福良さんは隣に座った
『ありがとうございます』
僕はお礼を言って紅茶を1口飲む
福良さんは適温で作ってるので猫舌の僕でもすぐに飲める
「Aちゃん。いつも僕らが怪我しないように、刃物作業進んでしてくれてたの知ってるよ」
いきなり言われた言葉に僕は何も言えず手の中の紅茶を見ることしか出来なかった
「だけどね、僕らもAちゃんが怪我するのは嫌なんだよ…分かってくれる?」
そう言って福良さんは巻かれた包帯にそっと触れた
「Aちゃんが思ってる以上に俺らAちゃんのこと大切にしてるから…危険なことさせたくないんだ。」
真剣な目でそんなこと言われたら『分かりました』しか言えない
ほんとにここの人は心配性で優しすぎる
その後、雑談をしてれば撮影が終わった組が帰ってきた
皆が和気あいあいと話す姿を横目に僕は残ってる動画を編集した
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リん@紅月(プロフ) - 美結さん» 不器用な優しさ書きながらニヤついてました(((コメントありがとうございます。頑張っていきますのでよろしくお願いします (2020年12月8日 21時) (レス) id: 2428ebb680 (このIDを非表示/違反報告)
美結 - わぁ。ありがとうございます。やっぱり不器用な優しさのkwmrさん素敵です。本当にP組大好きなので嬉しかったです。これからも応援してます。他作品ですが眠り姫も楽しかったです。無理しない程度に更新頑張ってください。 (2020年12月8日 4時) (レス) id: c8af9c29b4 (このIDを非表示/違反報告)
リん@紅月(プロフ) - 美結さん» 丁寧なリクエストありがとうございます!あんな感じでよかったでしょうか?期待に添えられていたら幸いです、、。 (2020年12月8日 1時) (レス) id: 2428ebb680 (このIDを非表示/違反報告)
美結 - 返信ありがとうございます。リクエストッ!なら見てみたいお話があります。主人公ちゃんが気持ち的に落ち込んでしまいkwmrさんと一緒にゆっくりするみたいな感じのが見たいです。あと私的にはおでこに手を当てての熱測るのが好きかなぁ。長々とすみませんでした。 (2020年12月7日 18時) (レス) id: c8af9c29b4 (このIDを非表示/違反報告)
リん@紅月(プロフ) - 美結さん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです!もし良ければリクエストも募集してますので是非! (2020年12月5日 17時) (レス) id: 2428ebb680 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リん@紅月 | 作成日時:2020年11月24日 21時