君は裏方の頑張り屋さん

切り傷 ページ8

偏頭痛と睡眠不足で迷惑をかけた日から数日たった

僕の企画も何本も撮影してそれの編集も福良さんから完璧と言われいつでも投稿できる

みんなは次々と撮影に入っていて今は川上さんと作業部屋にいる

｢A、何作ってるん？｣

ダンボールにカッター、ビニール紐を机に置いて作業する僕が気になったのかそう聞かれた

『色んな企画で使ったゴミの処分です。福良さんがこの前どうしよって言ってたので』

そう言えば｢あぁ、なるほどね｣と納得したように自分の作業にもどった

僕も黙々とダンボールを切ってビニール紐で結んでいく


慣れてきて少し油断した時ダンボールの重ねでカッターがずれ自分の腕を切ってしまった

『いっ…』

やらかした、そう思った時には血がﾀﾞﾗと垂れた

カッターの刃をしまい下に置いて傷口を手で抑えながらパニくる僕に｢Aどないしたん？｣と川上さんが声をかけてきてくれた

僕の状況を見て一瞬目を見開いから直ぐにポケットからハンカチを出して止血をしてくれた

｢抑えといて、いい？包帯探すから｣

そう言われ僕はｺｸﾝっと縦に頭を振ってからハンカチを抑える

川上さんは周りの棚の引き出しを開けて救急箱を探していた

｢撮影終わったよ、ぇぇええ!?｣

ｶﾞﾁｬと開いた扉から撮影終了した事を教えてくれたこうちゃんが声を荒らげた

その声に｢どうした！｣と伊沢さん、福良さんが入ってきた

｢Aちゃん、大丈夫!?｣

福良さんの問いに『はい、大丈夫です。』と真顔で返す

｢福良さん、救急箱分かりますか？｣

川上さんが見つからないと思ったのか福良さんに質問した
福良さんは自分のデスクに行き救急箱を取りだした

｢おいで、Aちゃん｣

福良さんに呼ばれ僕はそっちに向かう
椅子に座らされハンカチを外す

そんなに広範囲ではないが割と深い傷のようだった

｢派手にやったね…大丈夫｣

傷を見て少し顔を歪ませながら伊沢さんが聞いてきた

『全然痛くないですよ、焦りしたけど』

そう笑えば｢笑い事じゃないからね…全く｣とテキパキと処置をしながら福良さんが言った

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