第86話 ページ36
彼女の目は闇に染まっていた
そんな彼女に私は何も言えなかった
しばらくして彼女は疲れたのか机に突っ伏し眠ってしまっていた
彼女の本心をここまで聞いたのは織田作がいた時以来だ
私は彼女を抱えベッドに寝かす
左手に光るものが見えた
翠色のブレスレットだ。
「これは…」
私はそのブレスレットに触れた
そのブレスレットは織田作がAにあげたものだ
静かに寝ている彼女の目から涙が零れていた
私は優しくその涙を拭う
「そんなに溜め込まなくていい。A」
優しく頭を撫でる
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ、ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ
「〈もしもし「〈太宰、Aはどこ〉」
私の言葉を遮ったのは乱歩さんだった
「〈乱歩さん落ち着いてください。Aならここにいます。〉」
「〈太宰の家に、迎えに行く〉」
乱歩さんの声はいつも以上に荒れていた
「〈いえ、寝てしまっていて…。なので今日は私の家で。〉」
そう言うと乱歩さんは少しだけとまった
「〈はぁ、まいいや。Aに何もするなよ、太宰〉」
なんて釘を刺され電話は切られた。
私は電話を見て苦笑いをする
きっと乱歩さんもAが大切で心配なんだろう。
私や織田作、あんごのように
「異能がなかったとしても私たちが君を大切なのは変わらないことだよ。A」
きっと聞こえてない、それでも私は何故かそんなことを口走っていた
彼女の寝るベッドから離れソファーで寝ようとすると『い、かないで…』なんて言葉が聞こえた
振り返り彼女を見るとまだ寝ているようだった
きっと寝言だろう
そんな考えが頭をよぎるが私は何故か一人にしてはいけないと思い彼女の横に寝っ転がる
ベッドは少し大きめのものの為二人で寝ても狭いと感じることは無かった
彼女の体温が寝息が睡魔を引きたてた
私は知らない間に眠りについてしまっていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 201人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん@ログインできなくなった作者(プロフ) - 文スト愛好家さん» ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです。頑張ります！ (2018年12月24日 21時) (
レス) id: d62f71741d (このIDを非表示/違反報告)
文スト愛好家 - 作品面白いです！応援しています！更新頑張って下さい！ (2018年12月24日 20時) (レス) id: 776f0efcf5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りん@ログインできなくなった作者 | 作成日時：2018年12月17日 2時
