第77話 ページ27
園子達から一番遠い席のテーブルを拭く。
まだ、同じビルとは限らない。
同じ階だとは限らない
そんな風には現実逃避をする。
相変わらず向こうのテーブルでは子供たちを誘う、蘭のお父さんを誘うなどの話が繰り広げられていた。
そう考えを出す
『なんで、彼女達を優先してる』
僕は小さく言った
そうだ、他にも一般市民はたくさん参加する
彼女達だけが危険な目に遭う訳じゃない
そのパーティーに参加する全員が危険な目に遭うじゃないか
全員を守ることに集中するのが僕の任務じゃないのか
これだから、友達を作るのは嫌なんだ
天秤にかける時に切り捨てられなくなるのだ。
僕はやはり弱いままだと、嫌でも思い知らされる。
僕は一度息を大きく吐いた
「やはり、どこか具合悪いですか？」
いきなり声をかけられ肩をビクッとさせた
『あ、むろさん…』
また、この人は気配を消していた
気配がないと気づかないんだ
「Aさん、無理はダメですよ。さっき蘭さん達に放課後まで机で突っ伏して寝ていたことも聞きました。もし具合が悪いのなら無理しないで休まれた方が…」
なんて言ってくれた
『大丈夫ですよ。それより、安室さんの方こそ少し隈が出来てますよ…。さっきの言葉はそのままお返しします。無理はしないで休んでくださいね』
そう言って僕はお客さんの接客に向かう。
園子達も帰り夕飯時も過ぎた
閉店までのシフトは僕と安室さん。
梓さんは先刻「お疲れ様です」と言って帰って行った。
二人しかいない店内は無駄に静かだった
「Aさん…」
『なんですか？』
いきなり名前を呼ばれ安室さんの方を向く
「昨日の輩はどうしたんですか？あの後、あなたがでてきた路地裏を探し回ったんですが、誰もいませんでした。」
安室さんは少しだけ鋭い目付きで見てきた
『？僕は何もしてませんよ。入り組んだ路地裏を通ることで相手をまいたんです。きっと諦めて帰られたんじゃないですかね？』
なんてとぼけから返答をする
すると少し悩んでから「なら、今日も危険ですよね。送りますよ」なんて言ってきた
『いえ、大丈夫…「送りますね」はい。』
威圧され僕は『お願いします』なんて言ってしまった
仕方ないよ。
安吾さんのように怖かったんだから
そんな言い訳を心の中で言う
時間はもう21:00店を閉める
その後安室さんの車に乗せてもらった
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りん@ログインできなくなった作者(プロフ) - 文スト愛好家さん» ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです。頑張ります！ (2018年12月24日 21時) (
レス) id: d62f71741d (このIDを非表示/違反報告)
文スト愛好家 - 作品面白いです！応援しています！更新頑張って下さい！ (2018年12月24日 20時) (レス) id: 776f0efcf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん@ログインできなくなった作者 | 作成日時：2018年12月17日 2時
