2:警視庁刑事部の工藤さん

＊ ページ3

｢工藤さん！｣
｢彼氏さんが出来たって本当ですか！？｣
｢同棲してるとか！！｣

『ちょ、ちょっと！朝から何!!!』


出勤早々 同じ課以外の男達からも質問攻めになるA。
彼氏や同棲や自分には縁のない話が次々に飛び交う中、その様子を笑って見ている由美と美和子が目に入ったA。


男達から逃れるとそのまま2人の元へ駆け寄る。



『何の話をしたらこうなるの!?』
｢も〜〜〜しらばっくれても無駄よ！｣
｢Aが男の人と同棲してるって言うのはお見通しなんだから！｣



2人の話を聞く男達からは負のオーラが流れ出した。
空気が重すぎる...と高木は1人離れたところで様子を伺っていた。


『彼氏いないし！』
｢は!?じゃあ家で料理作って待ってくれてるって人は!?｣
『この前の事件で全焼してしまったアパートに住んでた人で、新しく行く場所が決まるまで住んでるだけだから...』



Aの事実に美和子と由美は項垂れ、男達はさっきまでの鬱オーラが嘘かのように晴れ晴れとした気持ちで各々仕事へと戻って行った。



｢Aに春が訪れたと思ったのにぃ...｣
｢高木くんもAに誰か紹介してよ！｣
｢へ！？｣



突然、話を振られた高木が裏返った返事をする。
Aはその様子を見て微笑むと自分のディスクへと向き合い、飾っている写真立てを見ると仕事を始めた。

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