彼らは恋愛王

izw×sngw1 izwバースディー ページ37

Izw said


五月十六日。俺の誕生日。今まで祝ってくれたのはクイノのメンバーや東大王の戦友。

でも今年はずっと片思いしていたやつから祝ってもらえるんだ。

みんなだから言うけど男だけど水上や鶴崎、もちろんクイノのメンバーじゃないよ。

戦友で、俺を文字通り追いかけてきたやつ、って言ったらわかるかも。

「伊沢さん。おめでとうございます」

正解は・・・・・・・


Sngw said

去年、ひょんなことがきっかけで急激に仲良くなれたけど、誕生日を祝うのはこれが初めてだ。本当に俺は伊沢さんを追いかけてここまで来た。

いずれはクイズで倒すことを夢見てたけど、それは叶わずだったね。

でも、今はこんなに近くにいることができる。

俺は花屋できれいな赤いバラを買って、そのまま伊沢さんの家を訪問。玄関先で作ったケーキと花束を手渡した。

でもここまで。最近新型のウィルスがばっこしているからそれを伊沢さんに移したくないし。ただでさえこの人激務だから。

そうしたら、伊沢さん「上がっていけ」って言うんだ。

当然俺は断ったんだけど、「恋人の、年に一回のお願いなんだけどなぁ」なんて言われたら断り通せなかった。

久しぶりに来る伊沢さんの家は、なんていうか、書類だらけだった(笑)

でもギターはしっかりと手入れしてあって俺が何気ないときにあげたピックがギターのアンプと共に置いてある。

「何か珍しい物でもある？」

そう言ってローテーブルに紅茶と俺が持ってきたショートケーキを置いた。

「いえ……珍しい物はありませんけど、まだ使ってくださっていたんだと思いまして……」

俺はピックを指さした。伊沢さんは、あぁ……というような顔で。

「大事にしているからな」

と言って、ピックとギターを手に静かな音で弾き始めた。そのあまりにも心地いい感触に俺は聞き入った。

「砂川？」

いつも間に音が止んでいたのか分からない。けれど、目を開ければそこにはクスクス笑い、俺にケーキと紅茶を進める伊沢さん。

俺も合掌して、紅茶とケーキをいただいた。

久しぶりに見る伊沢さんの明るい笑顔。

誕生日おめでとう。今年も戦友としても、恋人としてもよろしくお願いします。

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