彼らは恋愛王

izw×mzkm6 ページ35

「俺不思議なんだ」

不思議？なにが……

「何が不思議なんですか？」

そういうと伊沢さんは意を決したみたいに大きく深呼吸をしてこう言った。

「水上を守りたい。これから先も一緒にいてほしい」

え？これって……

「水上。俺と付き合ってほしい」

つまり……

「俺が好きだってことですか……？」

伊沢さんはコクリと頷いた。途端にあふれてくる俺の涙。伊沢さんはあわてて駆け寄った。

「あぁ、ごめんな！そりゃそうだよな！男から告白されるのは嫌だよな……」

「違います！」

これは悲しい涙じゃない。

「うれしいんです……伊沢さんが、こんな俺のこと好きだって言ってくれて……」

「じゃあ、水上も俺のこと好きだって思っていいの？」

俺は目をこすりながらこう言い放った。

「当たり前じゃないですか！」

その言葉と同時に抱きしめてくれる伊沢さん。俺の華奢な体はすぐに伊沢さんによって包み込まれる。

「颯、これから、お前は研修医になって、ゆくゆくは医者になるけど、俺は颯が折れてしまわないか心配なんだ。だからこれからも傍にいさせてほしい」

俺は涙をこらえきれなくってコクコク頷くことしかできなかった。

「一緒ですよ……飽きないでください」

「飽きるもんか。颯はずっと俺の恋人だよ」

ひとしきり抱きしめ終わると、俺はこんな提案をした。

「さっきの……事故で終わっちゃったから、伊沢さんからその……ほしい」

伊沢さんが俺のほほに手を当てる。

「颯……大好き」

初めてのキスは事故だったけれど、二回目のキスは甘い甘いキスだった。

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