ささやかな出会いから。【逢坂壮五】 (ページ44)

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43話本当の理由ページ44

八乙女社長の話によると、環くんと妹さんは施設に入所した後、妹さんだけが中小企業の社長の家に引き取られたらしい。でも、その会社が倒産…。夜逃げ同然に逃げた家族と一緒に妹さんも消えた。

妹さんと再会するために、メディア露出の多いこの仕事をしているのだろう。テレビにこだわっていたのも、そうことだったのか…。

環「テレビに顔が出れば、アイツから俺を見つけてくれるんじゃないかって…。」

八乙女「妹は来年には高校生。だが、金が無ければ進学は難しい。働きに出されるだろうな。」

八乙女社長が環くんの不安を煽るようなことばかりを言う。それによって環くんの心をコントロールするかのように。

壮五「環くん、耳を貸さなくていい。行こう。失礼します、八乙女さん。」

僕は環くんの肩を叩いた。

環「そっちでデビューしたら、テレビに映してくれんのか？」

壮五「環くん！」

環くんも冷静になればわかるはずだ。ただ八乙女社長の言葉で判断が鈍くなってるだけだ。

とにかくもうその場に居たくなくて環くんを引っ張り出す形で外に出た。

環くんの事情もわかる。けど…！なんとかして、今すぐ7人でデビューできないのかな。

マネージャーに相談してみよう。