33話 残念ながら ページ34
壮五「やはりそうでしたか。でも、仕方ないですよ。今回は3分で完売でしたからね。」
あれから気になってAさんに電話してみたけど、案の定チケットがとれなかったみたいだ。
残念ながら今回はライブにお客さんとして来れないらしい。
でも逆に嬉しいお知らせもある。音楽情報番組のコーナーでライブの中継が入るそうだ。環くんなんかはすごく喜んでたな。
気持ちを切り替えて頑張ろう。なにもライブは今回だけじゃないしね。
紡「陸さん、調子はどうですか？」
陸「薬も飲んでるし、大丈夫だよ。調子いい。」
陸くんのために、ここ数日はずっと通しリハーサルしてきたし、お医者さんもついてくれることになった。
環くんはテレビ中継のことでずっとソワソワしてる。
あともう少しで開場だ。みんなで気合いを入れ直していると…
「こんにちはー。」
…！
この声は…
壮五「Aさん…！」
声の主はやはりAさんだった。彼女はお花を届けにきてくれたみたいだ。
A「IDOLiSH7野外ライブおめでとうございます。今夜はきっと満席ですね！」
笑顔でそう言う彼女。他の誰かより彼女に言われるのが一番嬉しい。
紡「わざわざありがとうございます！えっと、このお花は…？」
A「社長さんからです！前、ウチに電話があって。」
どうやら社長が僕たちに送ってくれたものみたいだ。
A「ライブは見れませんけど、応援しています。頑張ってください！」
紡「待ってください！あの、せっかくなので是非見ていってください。」
A「え、でも迷惑ですよ…」
紡「Aさんにはいつもお世話になっていますし、この間の陸くんの件についてもまだお礼ができていなかったので、是非今夜のライブを見てほしいです！」
そういうことならと、しぶしぶ了承してくれたAさん。多分彼女のことだから、チケットを買って来てくれたお客さんに申し訳ないと思ったのだろう。
僕としては、どんな形であれAさんが見てくれるのでよりいっそう気合いが入る。
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作者名：朱那/akana | 作成日時：2018年5月13日 20時
