ささやかな出会いから。【逢坂壮五】 (ページ14)

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13話活動休止ページ14

翌日、マネージャーから活動休止が言い渡された。名前も浸透してきて、大事な時期なのに…。なんでも一ヶ月後のTRIGGERのライブまで歌もダンスも禁止らしい。

活動を抑制した上での外部からの刺激か…。
マネージャーらしくない言い回しだったな。

とにかく歌もダンスも禁止となると特にやることもないので、一織くんと環くんを学校へ送り出した後、陸くんとレッスン室の掃除をする事にした。

陸「壮五さんはTRIGGERのこと、どう思いますか？」

ふと掃除中にそんな質問をしてきた陸くん。急にどうしたのかな。

壮五「どうって？好きだよ。歌唱力もダンスも実力があるし。ライブに行くのが楽しみだな。よかったら今度アルバムを貸してあげ……」

陸「オレは…わからないです。」

最近話してる途中にさえぎられること多いな…
気にしちゃいない。陸くんが話してくれてるんだから。

陸「TRIGGERのこと好きなのか、嫌いなのか、尊敬できるのか、許せるのか…。」

許せる？

陸くん何かあったのかな？

陸「壮五さんはどうして、アイドルになろうと思ったんですか？例えば、夢のために自分の家族でも、捨てたりできますか？」

自分の家族…
それは、もう。

壮五「もう捨てたんだ。」

失望させちゃったかな。陸くん僕のことお兄さんみたいって言ってくれたりしたから。今も、すごく動揺してるみたいだ。

でもごめんね。本当なんだ。

壮五「ごめんね。先に帰るよ。風邪を引かないようにね。」

あんな質問、されると思わなかったな。