その少女、列車恐怖症【煉獄杏寿郎】 (ページ4)

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【sideA】

1時間かかったけど、キメツ学園には無事に着いた。
服装チェックをしている我妻君もいて、遅刻じゃないことを教えてくれた。

まぁ、1年前からずっと続けてるし。

足は鍛えられて1年前より早く歩けるようになったし、学校から家までのかかる時間も覚えた。

遅刻をしないのは良いんだけど、この習慣がいい事ではないのはわかってる。

「あ、おはようございますっ！！」

『おはよう。今日もチェックしているの？』

「はい……本当は風紀委員なんてしたくなかったんですけどね……」

彼は我妻善逸君。
今年の春に入学してきた、1年生だ。

なりたくもなかった風紀委員になってしまって彼も災難だなと思う。

でも、

『女の子いっぱい見れるから、やって良かったって思うんでしょ？』

「なっ！！！そんな事ないですって！！」

そう否定したが、彼はアワアワと手足をばたつかせていた。

図星とわかり、ふふっと笑う。

なぜか彼の事がなんとなくわかる。

遠い昔の記憶に、金髪の少年が映っていただからか。

我妻君の事はハッキリと覚えておらず、ただ、見た目が似てるってだけ。

女ずきなのも、何となくで質問したら当たっていた、それだけだ。

記憶に、濃く残っている人はたった一人。

「む？日野浦少女ではないか！」

この、熱血な先生だ。

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□我妻善逸

高等部1年筍組。
前世の記憶はなし。前世も信じてはいないが、心を見透かされるともやもや。