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Step 24 ページ26

【side杏寿郎】


電車に乗り、隣を見ると日野浦少女がいた。


手はぷるぷると小刻みに震えている。

だから、俺はその手をぎゅっと握った。
小さくて、でも、温かくて……柔い手だった。



『これで少しは安心できただろうか』


「……ッはい、」



ほんのりと日野浦少女の頬がピンクに染まっていた。

うむ、初々しいな。



……じっと見つめる栗花落少女のことは気にしないでおこう。


日野浦少女の手をにぎにぎと確かめる。



その途端、あぁ、生きているんだ。と実感させた。

俺は死んだ人の手を握ったことは無い。


なら、なぜ生きていると実感したのだろうか。

むしろ平和な世の中……死ぬなんてことはよっぽどのことがないと起こらない。




うむ。気になるが、気にしたところで仕方がない!


まずは目の前のことだ!!



アナウンスを確かめると、次の駅が降りる場所だった。


降り過ごしてなくてよかった!




『栗花落少女、日野浦少女! 次の駅で降りる予定だ!』


「はい。!」

「電車の中では静かにしてくださいね、煉獄先生」



栗花落少女に言われてしまった。

またやってしまった!
失敬だ!



周りにぺこりと頭を下げると、日野浦少女はくすくすと笑った。

彼女に笑顔の花が咲いた途端、手の震えはたしかに止まっていた。



彼女が少しでもリラックス出来たのだろうか?

それなら、いいのだが。




『さぁ、ここだ! 降りる準備をしてくれ』


少し声をおさえて呼びかけ、椅子から離れ扉へ向かった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , キメツ学園 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:夢世 | 作成日時:2020年11月22日 23時

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