Step 19 ページ21
【sideA】
クローゼットの洋服を出して、姿見で合わせてみる。
うーん、。
ジャンスカはちょっと子供っぽすぎるかな。
でも、このマキシ丈のワンピースが似合うほど大人でもないんだよなぁ。
私にそれなりの色気があればよかったのに、と自分を恨む。
『ぬわーっ、わかんない!!』
思わず叫ぶと、1階からうるさい!と怒られた。
まずい。さすがに大きな声を出しすぎた。
今日は土曜日の朝。
なんでこんな朝っぱらから服の整理をしているのかっていうと、
明日がお出かけの日だからだ。
カナヲがついてくれるといっても、煉獄先生とのお出かけがメインのようなもの。先生といえど、大人の男性だ。
煉獄先生が恥をかかないようにしたい。
『それに悪いイメージは持たれたくないしなぁ』
あまり胸元や背中の開いた服は着れない。
ばかでかいサイズのカチューシャや、派手なTシャツも。
ギャルでした、とか勘違いされたくない。
『バッグもなんとなくで決めたんだよねぇ……』
この前お母さんに買ってもらったベージュの肩掛けバッグだ。
ちょっと大人っぽいかな、とも思うけどあのショルダーバッグよりかはましだ。
洗えない生地だから、汚さないようにと使っていたけど。
やっぱりヨレヨレになっている。
友達に見せるのですら恥ずかしいのに、今回のお出かけで掛けられるわけがない。
―――プルルルル
『もしもし』
「Aだよね? これからなにか予定ある?」
電話の中の声の主はカナヲ。
珍しいな、自分から電話なんて。
『まぁ特にないし暇だけどどうしたの?』
「よかった。私の家に来てくれないかな。姉さんたちが私の家に来た方が早いからって」
『え?? あ、うん』
理解しないまま頷くと、カナヲは安心したように電話をきった。
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作者名:夢世 | 作成日時:2020年11月22日 23時