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１２：温かい手【Sside】 ページ12
びっくりするくらい、車内は静かで。
事故の光景がフラッシュバックすること。
毎晩のように悪夢を見ること。
突然事故のことを思い出してしまうこと。
全部カウンセラーの先生に話して、先生からは単純性PTSDという診断結果をもらった。
病気だと分かってほっとしたようで、
これからもあの事故と向き合っていかなければならない。
それが絶望でしかなくて。
俺も目が見えていたら、嵐を続けられていたし、
キャスターの仕事だって、司会業だって、
全部全部"普通"にこなせていたのに。
あの事故さえなければ＿＿
って。もう遅いんだけどね。
これからは気持ちを切り替えてPTSDの治療に専念すること。
それが最優先だって。
自分に言い聞かせるけど
どうしてもそんな気にはなれなくて…
あぁ、俺ってこんなにも弱かったんだ。
不安に思っていると、
隣から相葉くんが震える俺の手をそっと握ってくれて、
なんだか温かかった。
続く (更新停止中)
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作者名：ももん | 作成日時：2021年8月22日 23時
