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家に誰もいないのか、皆寝ているのか、静まり返っている。
Aは冷蔵庫を開け、なにか腹にたまるものはないか、と確認する。あるのは、卵、牛乳、豆腐、ケチャップ、マヨネーズ……。
お、と思う。フがァンタした缶の飲み物があるではないか。
Aは手を伸ばして、冷たい塊を握る。
父の物か、妹の物か、弟の物か……。そんなことは、今のAには関係なかった。炭酸ジュースが液体だから、腹にあまりたまらないかもしれない……。そんなことも、今のAには関係なかった。
カシュ、と小粋の良い小さな音を立てて、缶が開封されてしまった。
食べ物の恨みは恐ろしい。それが炭酸ジュースでも。Aは、この後、弟に恨まれるだろう。アマゾン川より長く、海より深く。
Aが、フがァンタした缶の炭酸ジュースに口をつけた、その時。
ドアが開いて、玄関から会話が聞こえてくる。家族はやはりどこかに出ていたようだ。
「ありがとうございます」父の声だ。
「すみません……」母の声だ。
「うちの姉がぁ」妹の声だ。
「バカですんませーん」弟の声だ。
よし、とAは笑う。
弟は後でしめる。誰が馬鹿だ。
「いえ……これ以上は不味いでしょうし。こちらとしても責任はあると思うので」
細胞の90%が、逃げろ、と言ってる。10%がお腹すいたと言っている。
最後の声には、聞き覚えがあった。最後の声に捕らえられて仕舞えば、今の生活が、
Aは、缶ジュースを握り締めたまま、個性を使おうとする。
使おうとして、使えなかったのは、彼のせいだろう。
「プロヒーローから学生が逃げようなんて、無理に決まってんだろ」
お前の言う、無理ゲーってやつだ。
逃げられなかったのは、声の主のせいだろう。
Aの腕が声の主につかまれる。
「お久しぶりです、相澤、せんせい」
Aは目の前に座っている、1人の男の名を呟く。
ボサボサ髪の長髪の男の名は、相澤消太。彼は、国立雄英高等学校の教師である。
国立雄英高等学校、通称「雄英」は、偏差値が80行くか行かないかギリギリの超名門校の一つであり、例年倍率は300を超える。
そして、Aが通っていた高校でもあった。
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碧ao - きゃーぽんさん» 2〜3歳ほど、A組のメンバーより上です。詳しいことは、後に小説内で明かしていこうかと思っています。コメント、ありがとうございました！ (2020年9月7日 14時) (
レス) id: 2e6603876c (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 夢主は何歳なんですか？ (2020年9月6日 0時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
碧ao - 桜さん» ありがとうございます！ (2020年9月5日 20時) (レス) id: 3bba5cc6b5 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - めっちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年8月30日 8時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧ao | 作成日時：2020年8月22日 21時
