〇 ページ42
．
Ryuto side
「 ただいま 」
家に帰って玄関の電気を点けると、Aの靴はあるのに、部屋に電気が点っていなかった。
「 A？ 」
部屋の奥に足を進めてリビングの電気を点けると、そこには何かを抱えながら座り込む彼女の姿があった。
「 A、どうしたの？ 」
慌てて彼女に駆け寄って抱きしめると、荒く呼吸をした。
『 ………っ、、りゅう、と、くん 』
「 大丈夫、落ち着いて。もう大丈夫だから 」
安心させるように片方の手で髪を撫でて、もう片方の手は背中をあやす様にぽんぽんとした。
「 もう平気？ 」
『 ……うん、ごめんね。龍斗くん 』
「 んん、何があったか話せる？ 」
『 て、がみと花束…… 』
「 手紙と花束？ 」
『 うん、帰ってきたら玄関先にこの手紙と花束があったの。毎朝届く同じ花の花束。』
「 ちょっと見せて 」
彼女が持っていた手紙を見せてもらえば、そこに書かれていたのは、
" 1ヵ月後に作間Aを奪いに行く。 "
" そして作間龍斗をその日に必ずこの世から消す "
この世から消す、って殺されるってこと？
誰がこんな悪戯。
『 龍斗くん…… 』
「 大丈夫。俺も死なないし、絶対にAも守るから 」
『 ……警察に被害届け出す？ 』
「 うん。毎朝花が届くのも気持ち悪いし、被害届け出そう 」
『 わかった 』
「 俺、明日の朝、警察行ってくるよ 」
『 わたしも行く 』
「 いいよ、Aは仕事に行って？ 」
『 んん、多分お花もこの手紙が届いたのも、わたしが原因だと思うから 』
「 心当たりあるの？ 」
『 わからない。けどわたしも一緒に警察行く 』
「 ん、わかった。一緒に行こっか 」
次の日の朝も、またいつものように届いた同じ花。
心做しかこの花が毎朝届くようになってから、Aの笑顔を見なくなった気がする。
「 A、行こっか 」
だから俺は君の手を繋ぐんだ。
俺が絶対に守るから、って。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 293人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷちまる(プロフ) - ひめみやさん» コメントありがとうございます！更新に時間がかかったりしますが、これからもよろしくお願いします！ (2018年10月16日 15時) (
レス) id: 410c5672ce (このIDを非表示/違反報告)
ひめみや - とっても面白いです！！大好きです〜！これからも更新頑張ってください、応援してます！！ (2018年10月8日 23時) (レス) id: a45ed0fbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぷちまる(プロフ) - れもも。さん» コメントありがとうございます！引き続きご閲覧いただけると幸いです… (2018年9月26日 23時) (レス) id: 410c5672ce (このIDを非表示/違反報告)
れもも。(プロフ) - コメント失礼します。このお話の雰囲気が好きです。これからも更新頑張ってください！楽しみにしています。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 32fdc62437 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷちまる | 作成日時：2018年9月25日 20時
