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Yuto side
さくちゃんとAちゃんの住むアパートの玄関先にヌスビトハギを持っていく。
そんな日課もそろそろ限界を迎えていた。
数日前から突然襲った、謎の罪悪感。
それに同情を覚えた俺は素直に今までの罪を謝りに行こうと決めた。
今まで気味の悪いことをしてしまって、ごめん。と。
最後の花を持って行き、一旦帰ってまた戻ったその道中、俺を追い越すように後ろから1台の救急車と数台のパトカーが通り去った。
近くで何か事件でも起きたのだろう。
この都内だ。いつどこで何があったっておかしくはない。
しかし、いつものアパートの前に着くと、俺は目を疑った。
彼女たちの住むアパートの前には、先ほどの救急車とパトカーが周りを囲んでいて、人集りの前にはびっしりと張られた黄色のテープ。
まるでそこだけが現実世界とこと離れた、テレビで見るサスペンス系の2時間ドラマのようだった。
ふと上を見ると、いつもの部屋の中から深くフードを被って、手首には手錠をかけられて、数人の警察官に連れられた親友が出てきた。
「 ……!?……っ、おい、猪狩! 」
俺の叫びに顔を上げた猪狩は、俺を見るなり口パクで、ごめんな、と呟いた。
何に謝っているのか理解出来ないまま、猪狩を乗せたパトカーは、サイレンを鳴らしてあっという間にこの町を出ていった。
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ハル(プロフ) - ずっとずっと続きが気になってたので読めて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年12月16日 22時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷちまる(プロフ) - Mirukyさん» コメントありがとうございます!新作の方もこちらの作品も引き続き、よろしくお願いします! (2018年10月29日 0時) (レス) id: 410c5672ce (このIDを非表示/違反報告)
Miruky(プロフ) - 作品読まさせていただいてます!新作の方も見ようと思っています。忙しいとは思いますが、更新頑張ってください! (2018年10月27日 0時) (レス) id: 7712cdd349 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷちまる | 作成日時:2018年10月16日 23時