先生の家。 ページ8
家についた。
とりあえず晩御飯にカップラーメンでも作ろうと思い、2つ奥から出してきた。
そしたら
「それって晩ご飯?」
一ノ瀬くんが聞いてきた。
『そうだよ?』
と答えると。
「…体に悪い。」
なんていって、家を出て行ってしまった。
どうして?え?
私は、引き止めることができなかった。
…もしかして、嫌われた…?
そっ…か…
なんでだろう、涙が溢れてくる。
『うっ…う…』
急に孤独感に襲われた。
寂しい。私はいつも1人のはずなのに。
私は、家で1人泣いていた。
それから、かなり時間が経ったその時_
ガチャ。
扉の開く音がした。
「ただいま〜…って、え!?なんで泣いてるの!?」
……一ノ瀬くんだ。
あれ、私は幻聴でも聞いてるのかな?
珍しく焦る一ノ瀬くん。
『あのね…一ノ瀬くんが、私のこと、嫌いになって、出て行ったのかと思ったの。』
「っ!そんなことない!俺は、先生が栄養不足だと思って、心配だったから自炊しようと思っただけ…!」
なんだ、そういうことだったのか。
そうだよね、優しい一ノ瀬くんが勝手に出て行くなんて、そんなことするはずないのにね。
私がバカだった。
「なのに、帰ったらなんか泣いてるし…でも、無言ででてったのはごめん。」
『ううん、私こそごめんね。…本当…ごめん』
「お互い様だね。はい、仲直り。」
『うんっ!』
そのあと、一ノ瀬くんにオムライスを振舞ってもらった。
こんな美味しいオムライス初めて。
なんて考えてると。
「ねぇ〜そろそろ2人っきりの時、彼方って呼んでよ〜」
ふいにそんなことを言われた。
『クラスで一ノ瀬くんって読んでたらそっちで慣れちゃったんだけど〜』
「じゃあ、これから2人っきりのとき俺のこと一ノ瀬くんって呼んだら罰ゲームだね」
え?
『何それ!?』
「いいよね?」
い…彼方くんの無言の圧に、私は頷くことしかできなかった。
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作者名:悠里 | 作成日時:2019年4月18日 22時