海軍少女【ONE PIECE】 (ページ16)

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不安ページ16

*

だいぶ歩いた。

だが、変な仮面をつけた大佐さんは一向に止まる気配がない。

「なぁ、こっちって立ち入り禁止区域じゃねぇか？」

隣を歩くメガネに小声で聞いた。

「えぇ、そのはずです。ここの先に会議室なんて…」

ないはず…と、眉間に皺を寄せ、考えるような仕草をする。

「アタシ達、消されるんじゃない？」

「いくら問題児だからってそれはねぇだろ！」

「チッ、聞こえるよ。」

冗談だって、と面倒くさそうに肩を竦める顔色の悪い女。その隣で怯えながら辺りを見回す挙動不審な女は、ひぇと小さな悲鳴をずっと上げている。

そう、俺達は新兵の中でも問題児として扱われている。協調性がなく、異物だと。

センゴク元帥から直々にお呼び出しがあった時は、文字通り島流しか、開拓地送りにでもされるんじゃねぇかと思っていたが、今こうして廊下を歩いてるってことはそうでも無いらしい。

そんな事を考えてるうちに立ち入り禁止区域まで来ちまった。だが、大佐さんはそれをものともせず歩いていった。
流石に着いていける筈がなく、俺達は立ち止まった。

「すみません、僕の記憶が間違いでなければそちらは立ち入り禁止区域ではないでしょうか。僕達はその先へは行けません。それは貴方も含めて。」

境界線を挟んでメガネが言った。大佐さんは立ち止まって振り返り、

「私が許可する。ので、……どうぞ。」

と、目線をやや下にして言った。話が上手く噛み合っていないと思いながら俺達はお互いに目配せをして、足を踏み入れた。

大佐さんはそれを確認するとまた歩き始めた。

「お前が言った事、あながち間違ってないかもな。」

「笑えないんだけど。」

はっ、と鼻で笑いながら茶化してみたが、これは本当に笑えねぇ状況かもしれねぇ。薄暗い廊下はさらに不安を煽る。

「私達これからどうなっちゃうんですかね…本当に消されちゃったりしないですよね？」

不安が頂点まで達したのか、声を震わせ怯えながら女が言った。

「最悪の場合の事を考えておいた方がいいかもね。」

更に顔色が悪くなった女が言う。そんなぁと、女は今にも泣き出しそうだった。

「重役しか立ち入れない場所に一体何が…そもそも僕達をこんな所に連れてくる意味は…それに許可って…」

メガネがぼそぼそ言ってるが、それどころじゃない。

「なぁ、いったい」

「着きました。」

俺がしようとした質問は遮られ、到着が告げられた。

「どうぞ。」